北朝鮮をナメる日本が知らない「電磁パルス攻撃」の恐ろしさ

 

つまり近年希に見る外交上手の安倍首相を、そう正しく評価できない人間の掲げる北朝鮮との対話のみによる交渉は悪手であるということです。イチローを正しく評価できない、ど素人による野次といってもよいでしょう。

ところが日本はこうした野次が多く、ときに大手を振って流通し、その間隙が狙われます。そして、やはり先に手を打ってきたのは北朝鮮でした。

核実験(水爆実験)の成功を報じた北朝鮮の機関紙「労働新聞」では「電磁パルス攻撃(EMP攻撃)」を示唆します。

1983年に制作された核戦争を描いた米国のテレビ映画『ザ・デイ・アフター』で、防災サイレンが途絶え、バイクや自動車のエンジンが止まり、手術室の証明が消えるシーンは、電磁パルス攻撃により想定される描写です。

高高度で核爆発を起こすと、爆発により発生する電磁パルスが地上の電子機器を破壊するというもので、細かな仕組みを省いてざっくりといえば、人為的に引き起こす落雷」のようなものです。

日本でもときどき落雷により家電製品が壊れたという報告がありますが、それを人為的に広範囲に、そして網羅的に行えるのが電磁パルス攻撃です。

2004年に米国議会にあげられた報告によると、電力インフラが破壊され、その状態が1年間継続すると米国民の9割が死亡するとあります。東日本大震災で長期間電力喪失が起こった我が国なら想像は容易でしょう。

発電インフラも「電気回路」を使っていて、これが落雷故障のように部品交換が必要な状態に陥れば発電はできなくなり、それは風力発電も太陽光も同じです。スマホやパソコン、その他の機器も同じですし、なにより「電気」がなければ現代社会では何もできません。オール電化の住宅はお湯すら沸かせなくなります。

はてさて、これだけなら「壮大な嫌がらせ」です。大混乱に陥るでしょうが、我が国ならば徐々にではあっても、確実に復興をしていくことに違いありません。

しかし、この混乱に乗じて北朝鮮かあるいは謎の工作部隊が日本を侵略する可能性はないといえるでしょうか。

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