京都のナゾ。なぜ五重塔は、ここまで高く造られたのか?

 

醍醐寺

kyoto20170914-2image by: 京都フリー写真素材

「醍醐の花見」で有名な伏見区にある醍醐寺は、世界文化遺産にも登録されていて「文化財の宝庫」と呼ばれています。40点以上の国宝と約4万点にも及ぶ重要文化財を所蔵しているとても重要な寺院です。

その中でも圧倒的な存在感を誇っているのが京都府内最古の木造建築物でもある五重塔です。奈良県の法隆寺、山口県の瑠璃光寺にある五重塔と合わせて「日本三大名塔」の一つです。

この五重塔は、朱雀天皇が父・醍醐天皇の冥福を祈って、951年に建てたもので、創建当時の姿を今に残しています。東寺の五重塔は高さで日本一ですが、塔の美しさにおいては醍醐寺の五重塔が日本一ではないでしょうか。五重塔の高さは約38メートルで一番上の屋根のさらに上の部分にある相輪(そうりん)部分が約13メートルもあります。上の屋根ほど少しずつ小さく造られていて安定感を感じさせます。

フランスの哲学者、サルトルが塔の前に立ったとき言葉を失い呆然と立ち尽くしたといいます。私も数分立ち止まって見上げていたのを覚えています。

一挙に4つご紹介しようと思ったのですが、仁和寺と法観寺の五重塔は次回ご紹介致します。

古代インドではお釈迦様の遺骨を仏舎利(ぶっしゃり)といいます。その仏舎利を納めたお墓を「ストゥーパ」と言います。それが日本に伝わり漢字表記されたのが卒塔婆です。卒塔婆を象徴として塔が造られ建てられたのが五重塔です。なので五重塔にはお釈迦様のお墓という意味があるのです。出来るだけ多くの人が遠くからでも拝めるようにと建てられてものが五重塔だったのです。だからこそ可能な限り塔を高く造る必要があったのです。

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock.com

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