日本の圧勝に終わった日中韓首脳会談と、茶番に終わる中台首脳会談

 

中国に擦り寄っていると言われるゆえんですが、ところが今年の6月中旬に中国の株式大暴落が起こり、中国経済の減速が明らかになると、相当慌てたようです。なにしろ韓国の2014年の対中直接投資は前年比29.8%増で、世界でもっとも対中投資を増やしている国の1つです。ちなみに日本の2014年の対中投資は前年比で38.8%の大幅減です。

2015年1~3月には、韓国は中国に対する投資額で世界1位にもなっています。

[参照]韓国、対中投資で日本を制し世界1位に浮上

中国市場をこれほど頼りにしていたのに、あてが外れたことに韓国は危機感を強めています。しかも中国市場を狙ったのに、逆に中国製品に韓国市場を荒らされる始末です。

[参照]韓国経済が怯える!? …中国製品の「市場侵食」=韓国華字メディア

 そのため、韓国ではいまになって「TPPに入りたい」という大騒ぎが始まっています。

[参照]韓国が逃した、TPP参加の機会…「中韓FTA」に注力したばかりに=韓国華字メディア

今回の日中韓3カ国会議では、中国が中韓会談において「日中韓FTA」を作りたいという考えを述べています。中国も、自分たちが主導するAIIB陣営に日本を引き込みたくて仕方ないのですが、TPPも大筋合意してしまったので、これに脅威を感じているのでしょう。

日中韓FTAを結ぶことで、日本を切り崩していこうというのが中国の魂胆なのでしょうが、今さら日中韓のFTAなど、百害あって一利なしです。

そもそも日中韓3カ国首脳会談は、安倍首相の「おもいやり」で成立したと言っても過言ではありません。

とはいえ、今度は韓国がTPP参加に色目を使い始めているということで、中国も韓国に疑心暗鬼になっているかもしれません。

[参照]「対日共闘」事前打ち合わせ、安倍氏に不快感 李首相が朴槿恵大統領にFTA発効催促か

なにしろ、裏切りは朝鮮半島の特色で、これまでも歴代の中華帝国は、属国であった朝鮮の裏切りに悩まされてきました。清のホンタイジなどは李氏朝鮮を「反復無常」(いつも裏切る)と評していたほどです。近代においても、清から日本、ロシアと事大する相手を次々と変えたために、それが日清戦争や日露戦争の遠因となったことは、本メルマガでも何度かご説明しました。

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