日本の圧勝に終わった日中韓首脳会談と、茶番に終わる中台首脳会談

 

南沙諸島では、アメリカがついに行動に出てくれたことで、中国の勢いも多少そがれた感はあります。日中韓台という東アジア諸国のなかで、経済的に中国に頼りすぎ、中国との関係が絶たれたら亡国の運命だという状況ではないのは日本だけです。日本が日米関係を強調できるのも、この強みがあるからです。

習近平は訪米、訪英を果たし、アジアでも忙しく外交を繰り返しています。国内問題そっちのけで外交に勤しんでいるのは、偉大なる中華民族の拡大主義にほかなりません。世界で大風呂敷を広げ、慌てて経済協力を周囲に求める様はじつに滑稽です。莫大な費用をかけて行った抗日軍事パレードも、あまりの時代錯誤さに世界は引きました。皇帝きどりの習近平に、経済援助という餌で釣られた国々が媚びへつらう。おそらく、欧州までをも手にいれた気でいるでしょう。

しかし習近平の側近までも、「いまさらアメリカと喧嘩する必要があるのか」と苦言を呈している状態です。

自らへの不平を抑えるためか、習近平は国内の言論を弾圧し、独裁政治を強化しています。このメルマガでも紹介しましたが、北京で活躍していた人権派弁護士は百人単位で逮捕されただけでなく、彼らの家族も当局に拘束され自由を奪われています。また、ネットでデマを飛ばし社会に悪影響を及ぼせば、懲役刑が課されるといった言論統制もはじめました。

[参照]ネットにデマを書き込むと懲役7年、刑法改正で言論統制強化―中国

時代に逆行するばかりの習近平は、彼自身の政治生命だけでなく、中国の寿命も自ら縮めているとしか思えません。国内に溜まった不満が爆発し中国がバラバラになる日も、そう遠くないかもしれません。韓国や台湾のように中国経済と運命を共にしている国は、それに備えた対策を講じておくほうが利口でしょう。

print
いま読まれてます

  • 日本の圧勝に終わった日中韓首脳会談と、茶番に終わる中台首脳会談
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け