P.26:2.完璧なサービスでもクレームは避けられない
P.70:14.謝罪とは全面的に非を認めることではない
P.109:26.「どこまで責任があるのか」を意識する
P.138:35.訴訟に発展することを想定しておく
などなど、このように、クレームの本質をきちんと押さえ、必要十分なことが、具体的でわかりやすく、読み手のことを考えた書きかたで説明されていきます。
少し早いですが、私の今回の結論です。
富裕層を相手にしたサービス業に携わっているなら、対面接客に限らず、本書は読んでおいたほうがいい。
昨今、自社でカスタマーサポートを持つ企業が減り、アウトソースに出すケースが増えています。お客さま対応にはお金がかかり、しかもお金を生まない、つまり、経営者にとってカスタマーサポートは、「存在自体がコスト」だと思われているのです。
そのため、電話番号はフリーからナビダイヤルに、さらに、サポート自体が有料のサービスもあります。お客さま対応時間や、平均解決時間を短くすることが、センターのミッションだったり、オペレータの成績につながったり、そんなカスタマーサポートも、過去に経験してきました。
待っているほかのお客さまを待たせない、それも確かに顧客満足度向上の答えなのかもしれません。しかし、人が人にサービスや商品を提供している以上、「体験」にお金を払いたいという層は、お金を支払う相手に対して、見合った「価値」を求めます。
それが高価であればあるほど、「価値」に対する要求は高く、クレーム客を常連客、贔屓客に変えるノウハウが役立つのです。
サービス業にとっての理想のクレーム対応とは、一体どんなものなのか、これを、本書は教えてくれます。
P.150からは、
38.クレームをありがとう
「クレームを出していただいてありがたい」と、愛情を持って臨むと、解決するのも早く、クレームをつけたお客様をファンへと変身させることも可能となる
よいことばですね。
ホテル業界や、お客さまとの対応に、比較的時間をかけていい業種の人は、ぜひ読んで参考にしていただきたい、そんな1冊です。
image by: Wikimedia Commons
『幸せを呼ぶ! クレーム対応術』
有名企業、10数社のカスタマーセンターで身に着けた、クレーム対応のノウハウを、無料で、惜しみなく教えます。クレームのケーススタディ、クレームで自分を削らない方法、役に立つフレーズ、使ってはいけないことば、などなど、対応で役に立つことはもちろん、時事ネタや知っているようで知らなかった話を、詳しく、できるだけ面白くお伝えします。
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