あなたは、面接で「うちの会社の顧客はこのレベルです」という説明を受けましたか? たとえ同業他社へ転職しても、新しい職場の顧客が求める水準が高すぎた場合、そのギャップを埋められず早期退職してしまうケースも珍しくありません。無料メルマガ『「欲しい人材がザクザク採れる!」採用成功術』では、牛丼屋からフランス料理店に転職したら?という例を挙げ、入社時に顧客情報を伝えることの大切さを説いています。
顧客情報の伝え方で退職率が変わる
「うまい、はやい、やすい」
私は、吉野家の牛丼が好きです。みなさんからのご批判を覚悟でお話をすると、○○家や○屋よりもダントツで美味しいと思っています(ただ、「やすい」というのは最近の値上がりもあり、どうかな? と思うところもありますが)。
では、この「うまい、はやい、やすい」の考え方を持って、吉野家からフランス料理店に転職した社員がいたとしたらどうでしょうか? おそらく、その社員の人は最初はとても苦労することでしょう。なぜなら、フランス料理店にくる顧客は求めているものが全く違うからです。
おそらくその求めているものとは、
・うまいというより美味しい(上品な感じで)
・はやいほうがいいけど、優先順位はそれほどでもない
・やすいほうがいいけど、あまり気にしない
そして、
・接客マナーが良くて、お店の雰囲気が素敵なところがいい
ではないでしょうか。このように、同じ業界でも顧客が求めるものは全く違います。これは飲食業にかかわらず、あらゆる業界で言えることです。中には、顧客から非常に高いレベルのものが求められることもあるでしょう。
社員の定着という点で考えるとこれが、社員の退職率にも影響することがあります。顧客から求められる水準が高いと、それが仕事の厳しさにもつながるからです。
例えば、顧客から求められる水準が高い業界としてコンサルティング業界があげられます。案件が顧客の経営に関わる重要な内容であるのに加え、高額なコンサルフィーをもらっている場合が多く当然ながら相当なレベルの提案を求められます。その厳しさやプレッシャーは生半可なものではありません。それに耐えることができなければ、早期の退職ということになります。
これはコンサルティング業界に限らずみなさんの会社でもそうではないでしょうか。
では、そうならないためにはどうしたら良いか?それは、選考時に顧客情報を伝えることです。
面接の際に、仕事の内容やどういうことが求められるかはみなさんもおそらく伝えているでしょう。ただ、顧客情報はどれくらい詳細に伝えているでしょうか(もちろん、顧客の個人情報を伝えるという意味ではありません)?
例えば、
・どういうタイプの顧客が多いか
・求められることと、その優先順位は?
・今までのクレーム案件とその対処法
などは伝えておいたほうが良いでしょう。
また、一般的には厳しいことではなくてもその応募者にとっての得意・不得意というのもあります。それを判断してもらう意味でも、なるべく詳細に伝えておいたほうが良いでしょう。
また、応募者に顧客のイメージを聞いてそのギャップをうめておく作業も必要です。それらを行った上で、納得して入社してもらえば入社後のギャップも減り、退職率を軽減することができます。
image by: Shutterstock