【京都案内】現代に甦る平安絵巻。「葵祭」で悠久の時に思いを馳せる

 

それぞれの神社の特徴は?

上賀茂神社に一ノ鳥居をくぐると開放感のある広々とした芝生が広がっています。この場所は葵祭の儀式のひとつでもある賀茂競馬会などが行われる場所で馬場でもあります。そして二の鳥居を入ると突然細殿前に円錐形に整えられた高さ1メートル以上ある砂の山がふたつ見えてきます。上賀茂神社のシンボル、立砂たてすな)とよばれるものです。ふたつ対になって盛られていて円錐の上に片方に二葉(によう)の松、もう片方には珍しい三葉(さんよう)の松が立てられています。立砂は料亭などお店の玄関の軒先などでよく見る盛塩の原型ともいわれています。立砂は神様が最初に降臨された上賀茂神社の北2キロにある神山こうやまを模して造られたものといわれています。神様に少しだけ近づけるような気がする神々しい光景です。

一方、下鴨神社の境内の中には京都市内の中心部を流れる鴨川と高野川に挟まれた三角地帯に位置しています。その土地がら緑がとても豊かで、この森を(ただ)すの森と言います。この原生林は縄文時代から群生していた植物も存在すると言われています。そしてふたつの川が出会う場所なだけあって、水のせせらぎがきれいな聖域にいることが実感できる神社です。下鴨神社の楼門そばに相生神社という縁結びの神さまが祀られています。「連理の賢木(れんりのさかき)」が立っていて若い人たちにも人気のパワースポットになっています。下鴨神社の境内には尾形光琳が「紅白梅図屏風」に描いた梅、光琳の梅があります。また、国歌君が代」に歌われる神の霊が宿るとされる「さざれ石」もあります。

下鴨神社には立砂はありませんが、上賀茂神社に劣らず京都屈指のパワースポットです。

まとめ

葵祭は1,500年ほどの歴史がある日本最古の由緒ある祭で三勅祭のひとつだということ。そしてその様子は源氏物語にも描かれているほど昔から有名でした。祭そのものは賀茂社の例祭で、五穀豊穣を願って始められたものでした。流鏑馬や競馬会などいくつもの儀式が両方の社で執り行われるも有名なのは5月15日に行われる路頭の儀。その様子は平安時代の調停貴族の時代絵巻を眼の前で見るかのごとく美しく厳かでとても魅力的です。

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: kqlsm / Shutterstock.com

 

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