イトーヨーカ堂の営業損益と最終損益は大幅な赤字
ところで、イトーヨーカ堂は苦境に立たされています。2016年2月期決算では営業損益が139億円の赤字、最終損益が239億円の赤字となっています。営業収益は1兆2,895億円で前年同期比0.2%増とかろうじて増収となりましたが、この10年を見てみるとほぼ一貫して減少し続けています。
カテゴリー別の売上高を直近の10年で見てみると、「衣料」「住居」「食品」の売上高は減少傾向にあります。「テナント」の売上高は上昇傾向にあるため、イトーヨーカドー製品が苦戦し、テナントの売り上げで穴埋めをしている現状が浮き彫りとなっています。
「衣料」の07年2月期の売上高は2,905億円で、その後は減少し続けています。11年は前年を上回りましたが、それ以外の年は07年から16年まで全て前年を下回っています。
総合スーパーは苦境に立たされています。衣料品であれば、「ユニクロ」や「しまむら」、「ZARA」といった専門店の台頭が大きく影響しています。イトーヨーカドーの16年2月期末の店舗数は182店舗です。一方、たとえばユニクロの15年8月期末の店舗数(フランチャイズ含む)は841店舗です。大手の専門店は規模に勝るため、低価格で販売することが可能です。また、専門性が高いため付加価値の高い製品の開発が可能です。総合スーパーは劣位に立たざるをえません。
イトーヨーカドーの「テナント」の売上高は10年前の07年2月期が2,229億円で、その後は上昇し続けています。10年は前年を下回りましたが、それ以外の年は07年から16年まで全て前年を上回っています。