売上もお値段「異常」。好調ニトリが、桁違いの利益率を上げるワケ

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今や全都道府県どころか台湾にまで店舗を構え、ユニクロの倍以上という20%に迫る営業利益率を上げる、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いとも言えるニトリ。この絶好調の秘密はどこにあるのでしょうか。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、脅威の利益率と売上を可能にするニトリの経営スタイルを分析しています。

ニトリがユニクロ以上に高い利益率を実現している理由

家具・インテリア・生活雑貨小売業大手の「ニトリ」が絶好調です。

ニトリホールディングスの2017年2月期第1四半期(3~5月)決算は、売上高が1,370億3,300万円(前年同期比14.9%増)、営業利益が272億5,600万円(30.9%増)、当期利益が169億2,100万円(42.9%増)となりました。大幅な増収増益です。

ユニクロとは桁違いの利益率を実現した

営業利益率は19.9%となっています。これは、他に類を見ない数値です。たとえば、高い利益率で有名なユニクロを運営するファーストリテイリングの最新(16年8月期第2四半期・累計)の営業利益率は9.8%です。大手企業で営業利益率が10%を超えることは滅多にあることではありません。ユニクロでさえ10%を下回ることがあります。しかし、ニトリは10%越えどころか、およそ20%という驚異的な数値を叩き出しています。

直近5年の売上高と営業利益を確認します。売上高は、12年2月期は3,310億円、13年は3,487億円、14年は3,876億円、15年は4,172億円、16年は4,581億円となっています。営業利益は、12年は579億円、13年は615億円、14年は630億円、15年は663億円、16年は730億円となっています。

直近5年では、売上高と営業利益ともに一貫して増加しています。営業利益率は15.9~17.6%と非常に高い数値で推移しています。

自前で物流機能を構築

ニトリは高品質の商品を低価格で販売するSPA(製造小売業)です。SPAとは、製造から販売まで一貫して自社で行うビジネスモデルのことです。しかし、ニトリは従来のSPAとは一線を画しているところに特長があります。

従来のSPAでは、輸入・通関業務や保管、流通などの物流業務は商社や専門会社に外部委託することが一般的です。これらを自社で行うには巨額のインフラ構築費用が必要になるからです。しかし、ニトリは物流を自前で行うために早い段階から物流機能に対して投資を行っていきました。従来の製造小売業の機能に高度な物流機能をプラスして、新たなビジネスモデルとして「製造物流小売業」を確立したのです。

ニトリは自社で物流を担うことで大幅なコスト削減を実現し、低価格での販売を実現しています。

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