世界の8割は英語がナマってる。NY在住の医学博士が明かす英語の真実

 

情報が世界と個人を変える

さて、オリンピックのオープニングを見ていたら、北朝鮮の選手が入場してきました。彼らは、一体どれくらい世界のことを知っているのだろうと僕は素朴に疑問に思いました。世界中から人が集まっている会場で、彼らはどのような思いでいるのだろうかと思いました。もし北朝鮮に何の制限もなく自由にインターネットを通じて国民が情報にアクセスすることができたら、皆自分たちがいかに事実を知らされていなかったか、どれくらい驚くだろうかとも想像しました。ちなみに、今回のオリンピックではサムスンがスポンサーを務め、出場する11,100人もの世界中から来たアスリートにオリンピック仕様のGalaxy S7 Edgeというスマホをプレゼントしました。オリンピックの思い出になるギフトですよね。でも、サムスン側は配布をしたのにも関わらず、北朝鮮の31人の選手の手には届かなかったそうです。なぜなら北朝鮮代表団関係者が没収して選手には渡さなかったそうなのです。もし選手にサムスンのスマホが渡っていたら、選手が世界で起きていることを知ってしまうから、北朝鮮代表団としては都合が悪かったのかもしれません。ちなみに、北朝鮮で出回っているスマホは、北朝鮮が独自に開発したアプリしかインストールできない仕様なので、当然アクセスできる情報にも制限があります。もし、北朝鮮の国民がスマホで自由に世界の情報にアクセスできて真実を知ったら革命が起こらないと誰が断言できましょうか

他の例では、最近フェイスブックが数ヶ月の連続飛行ができる無人機の飛行テストを行いました。言ってみたら巨大なドローンです。この飛行機は金持ちの趣味のラジコン遊びではなくて、インターネットが接続していない地域に空から接続環境を提供するというのが目的です。世界ではまだ40億人もの人たちがインターネットに接続できていません。もしそれらの人たちの住むエリアにインターネットが届いて情報を届けることができたら、どれだけの人助けになるか想像に難くないと思います。インターネットはメールやラインやブログを見ることだけが用途ではありません。科学や教育や金融の様々なデータを瞬時に送ることができます。例えば、アフリカの僻地にこれまでの現地のシステムだけでは治療が難しい患者集団がいたとします。現地の医療チームがこれまでに知る由もなかった治療法にネットを通じてアクセスでき、助けを求めることができるかもしれません。一方で先進国の医療チームがネットを通じて遠隔で現地スタッフを指導できるかもしれません。長期的には情報のインフラができることで現地の教育レベルや経済の底上げも起きることが想像できます。そんな難しい話ではなくても、例えば現地で派手な装飾を頭につけたシャーマンみたいなおばあちゃんが「これは悪霊のしわざである!生け贄にすべし!」と言ったことで命を落としていた人たちが、先進国からみたら「ちょっ!それこの薬でサクっと治るから!」ということでさえあるかもしれないのです。

ということで、何が言いたいかというと「情報は革命を起こす」ということなのです。日本は先進国で情報化された社会ですが、それでもまだまだ英語を使えるようになるだけで更に広がる情報世界があります。たとえば日本語で「火の起こし方」とググると110万件のヒットがあります。英語で「How tomake fire」とググると6億6千300万件のヒットがあります。もちろん火の起こし方などバーベキューをやったことのないアヌパムくらいしか検索しないかもしれませんが、このような単純な「~の仕方」という検索だけでも、英語が使えた方が情報の量が遥かに多くなります。「火の起こし方を6億通りも知る必要がないやろ!」とつっこみたくなるかもしれませんし、確かにそれはごもっともですが(笑)、もし超レアな「~の仕方」だったら日本語だったらヒットが0になるかもしれません。

そんなこんなで、僕達の身近にあふれている英語ですが、喋らなくてもいかに上手く使うかで様々な情報にアクセスでき多様な物の考え方の引き出しが増えるのです。そしてそれは時には自分にとって革命的なことになり得ると思うのです。そんな魔法みたいなツールが、身の回りにあるのに気づかないのは、特にこれからの未来が待っている若い人たちにとってはもったいないことかもしれませんよね。

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