あのアイリスオーヤマが、なぜ今「家電」で注目されているのか?

 

なぜアイリスオーヤマは顧客視点で伝えられるのか?

なるほど家電をはじめ、アイリスオーヤマの製品には、顧客の立場にたったものが多い。この理由は、自社のためにではなく顧客のために、という視点で、常に物事を考えるDNAがそうさせているようだ。

大山社長のインタビュー記事によると、「自社都合のプロダクトアウトではなく、実際に使う人たちが何を求めているかというユーザーイン」の考え方で発想をし、製品開発につなげるという。

アイリスオーヤマ、「家電本格参入」の真意 東洋経済オンライン

販売している米も、スーパーなどで売れられているように、5キロ、10キロ単位ではなく、小分けパックにして販売しているとのこと。私も料理をするのでわかるのだが、その方が新鮮で、毎日の料理には便利なのだ。

こういった努力の積み重ねによって、次もアイリスグループで買おうという気持になる。つまり、需要がどんどんと醸成され、新しい顧客、いわゆるおなじみさんの創造につながっていく。

アイリスグループが上場しない理由の一つに、「無理な成長よりも、いかにして社会に貢献し、従業員のためになるか」を優先する、ということがあるとのことだった。そのために、各製品のマージンも10%を確保できるような仕組みにしているとのこと。

アイリスオーヤマが東京に本社を置かず、株式上場もしない理由 ダイヤモンドオンライン

前述のR&Dセンターの構築や高齢者雇用と同じく、「人」に対する愛情を感じることができる。SNS時代において、多くの情報や感情が透明化されている中で、愛情いっぱいに自社製品を開発し販売している姿勢は、やはり、顧客には伝わるのだ。

image by: Wikimedia Commons

 

理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』より一部抜粋

著者/理央 周(めぐる)
あのヒット商品はなぜ「ヒット」したのか?あのレストランの予約は、なぜいつも取れないのか?世の中で「売れているモノや人気者」はなぜヒットするのでしょうか?毎号実際の店舗や広告を取り上げ、その背景には、どんな「仕掛け」と「思考の枠組み」があるのかを、MBAのフレームワークとマーケティングの理論を使って解説していきます。1.「中小企業経営者・個人事業主」が売り上げを上げる 2.「広告マン・士業」クライアントを説得する 3.「営業マン」が売れない病から脱するためのメルマガです。
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