日本の隠れた家族問題。親が死んだら「兄弟の扶養」を断れますか?

 

雇用と結婚が不安定になった社会でありながら、兄弟親子はどこまでも助け合うべきという儒教的な思想がある日本。このため、親が生きている間には顕在化しない兄弟間の扶助問題が起こっているというオハナシでした。

この問題の社会的背景である雇用と結婚は個人ではどうにもなりません。また無自覚なほどに深く根ざした儒教的な思想もまた、一朝一夕には抜けないのです。なので、この兄弟間扶助においては「援助の上限を決めて自立をキープする」ことが大切になっていくのです。

で、ここまでか頼られる側の人のお話でした。今回は、もう一人の主人公、頼る側の人のお話です。本人こそが大問題なんです。遠い知り合い(50代女性・未婚)に家事が全く出来ない人がいるんです。親御さんもそろそろイイ年なのにその後どうするつもりなんだろうとヒトゴトながら心配です。

こうしたリスクとなるような兄弟本人サンは、おそらく自分が他者とつながって生きている事実を知らないんです。人間は両親から生まれた時点で、誰ともかかわっていない人などいないのです。その同じ両親から生まれた兄弟とも、もちろんつながっており、さらにはその子供たちとさえちゃんとつながりを持っているのです。お年玉をあげたりしているでしょ? そして、いずれは誰もが老いて動けなくなるのです。

そういう当たり前の事実をボンヤリとしか認識していないんでしょう。いや、もっと厳しく言えば、分かりたくないので先送りしているだけなのかもしれません。問題ってのはどれも、先送りすればするほど利子がついて面倒になるものなのに。

  • お金を稼いでいるんだからOK
  • 就職氷河期生まれだから仕方ない
  • お母さんが全部家事をやってくれるから
  • 好きなモノくらいガマンせずに食べたい

このような、幅の狭い思考がどのくらい家族を追い詰める結果になるのか、まずは認識してください。その上で、リアルに危機を感じて、何らか対策を立てておくべきです。あなたがメイワクな存在とならないために。

血は水よりも濃い。その血が足かせにならないよう、お互いにやるべきことを考えておきましょう。

image by: Shutterstock

 

システマティックな「ま、いっか」家事術
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