65歳はまだ若い。高齢者の定義を見直したら日本人は損か、得か

 

所長 「そういうことの検証も含めて日本老年学会、日本老年医学会では、数年前から高齢者の定義を再検討する合同ワーキンググループを立ち上げて、いろいろ議論してきたそうだよ」

新米 「どんなことを検討してきたんですか?」

所長 「たとえば、高齢者の心身の健康に関する種々のデータ検討では、10~20 年前と比較して、加齢に伴う身体的機能変化の出現が5~10年遅くなってきていて、『若返り現象がみられているそうだ」

新米 「その学会では、65歳の線引きについては、どう考えているんですか?」

所長 「このワーキンググループでは、65~74歳:准高齢者 准高齢期(pre-old)、75~89歳高齢者 高齢期old)、90歳~:超高齢者 超高齢期(oldest-old, super-old)、という定義を提案しているそうだ」

新米 「ふーーん。そういう分け方なんですね。超高齢者は、90歳以上ですか」

所長 「学会では、高齢者の定義と区分を再検討することの意義を、『従来の定義による高齢者を、社会の支え手でありモチベーションを持った存在と捉えなおすこと』『迫りつつある超高齢社会を明るく活力あるものにすること』と言っているね」

新米 「アベノミクスの1億総活躍社会っていうのも関係あるんですよね」

所長 「この意義からもそれが見えているね。実際、内閣府が60歳以上の男女を対象にした調査でも、自分が高齢者であると感じる人は、65歳~69歳では24.4%70歳~74歳でも47.3%。それ以外は感じていないってことだもんな。『65歳以上は高齢者である』と回答した人も29.1%しかいなかったそうだ」

新米 「でも、高齢者の年齢引き上げとなると、年金問題なども関わってきますよね」

所長 「そうだね。報道でも、社会保障が改悪されるのではないかと警戒する声が多数上がったと言っていたね」

新米 「こんなときだけ高齢者を元気と持ち上げて、年金支給をいずれ75歳に繰り下げるんだろとかそういうことですね」

所長 「そう言うことだね」

新米 「そう言えば、この間テレビ番組で、へぇ~って思うこと言ってました」

所長 「どんなことだい?」

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