森友学園問題で、財務省の方が責められていますが、役人の方は賢いですから、出世コースに乗っている人が、自分の立場を危うくするようなことに、自ら手を染めるようなことはないと思います。しっかり自己防衛をしているはずです。
しかし、有力政治家の意向を汲み取って、表面的には公平な理屈が立つようにしながら、結果として何らかの成果を出すようにと、考えることはありえると思います。有力政治家にうとまれると、出世ができないということもあるのです。減点主義の世界ですから。
そして、上の意向を汲み取って、現場の担当者が「知恵を出す」ということも当然にあるでしょう。この「知恵を出す」という点では、役人のみなさんは本当に優秀だと思います。今年の流行語大賞間違いないと言われている「忖度」はいたるところにあるのです。
先日、役人としてかなりの地位までいった方や、一流民間企業の役員経験者といった方々と、飲む機会がありました。今は、すっかり、そういった世界から離れ、偉ぶることもなく、私たちと普通に活動している方々です。森友学園問題が話題になったので、私は、思わず聞きました。
「現職の時、自分の意図を汲んで動く部下はかわいがるが、それが読めない部下は評価しないということがあった?」
みんな瞬時に「当然だよ~」と。
「役所も民間も、きれいごとだけでは済まない。明確に指示できないことも多々あるよ。それを汲み取って動く部下を優秀だと評価するに決まっている。サラリーマン社会で、それができなかったら、絶対に出世できないよ」
…と。