スシローを超えた「はま寿司」が、過去最高益で全国に店舗拡大中

 

はま寿司の優位性は運営するゼンショーによるところが大きいでしょう。ゼンショーは約2,000店ある牛丼店すき家を含めてグループで約4,900店の店舗網を誇ります。グループの調達力を生かすことで食材を安く仕入れることができます。特にコメはグループの多くの店で共通で使用できます。はま寿司で使用するコメのコストも抑えることができるのです。

また、ゼンショーは牛丼店やハンバーグ・ステーキ店、焼肉店、しゃぶしゃぶ店といった「牛肉を扱う店舗も多数展開しています。牛肉を共通で使用する形で、はま寿司ではローストビーフや牛カルビ、ハンバーグといった牛肉をネタにした握りが充実しています。牛肉でもコストを抑えることができます。

サイドメニューも同様です。はま寿司ではラーメンやうどんを提供していますが、ゼンショーが展開するラーメン店やうどん店の食材を共通で使用することでコストを抑えることができます。

回転寿司店では近年、サイドメニューの充実化が進んでいます。くら寿司ではラーメンやうどん、カレー、うな丼、天丼などを販売しています。はま寿司やスシロー、かっぱ寿司でも、くら寿司ほどではありませんが、サイドメニューの充実化を進めています。消費者の嗜好の多様化が進んでいることもあり、寿司だけでは生き残れない事情があります。

そこで回転寿司各社はサイドメニューを充実させているのですが、サイドメニューはあくまで脇役のため非効率な面があります。寿司の調理であればロボット化進んでいるためコストを抑えることができます。一方、サイドメニューでは調理のロボット化は進んでいません。調理の手間がかかります。また、食材の保管コストもかかります。

サイドメニューの充実化が進むことでコストが増加するというリスクがあります。そうなるとコスト削減が重要となりますが、先述の通り、はま寿司はグループの食材を共通利用することができるのでリスクを最小限に抑えることができる立場にあります。この点は競合と比べて優位にあるといえるでしょう。

もちろん、はま寿司の競合でもグループでコストを抑えているところはあります。例えば、かっぱ寿司を傘下に収めるコロワイドはフランチャイズを含めて約2,700店を展開しているので、食材の共通の使用でコストを下げることができます。しかし、約4,900店のゼンショーの規模には遠く及びません。はま寿司は圧倒的に優位にあるのです。

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