日本の天文観測の聖地「国立天文台三鷹キャンパス」に行ってきた

 

惑星間の距離を体験できる「太陽系ウォーク」

太陽系ウォークの説明と太陽の位置を示す看板

太陽系ウォークの説明と太陽の位置を示す看板

太陽系ウォーク。土星は、奥の建物の手前あたりになります

太陽系ウォーク。土星は、奥の建物の手前あたりになります

第一赤道儀室を出た後は、見学コースに沿って設けられた太陽系ウォークが目に止まります。太陽系の大きさを約140億分の1に縮め、約50mの距離に太陽から土星までの配置を表しています。太陽から土星までの距離を50mで換算すると、1歩が700万キロメートル以上にもなる計算となります。

実際に歩いてみた感想としては、火星から木星までの距離が思っていたよりも遠いという事を感じました。数千万キロとか、数億キロといった距離は、聞いただけではいまいちピンときませんが、縮尺であっても実際に歩いてみると、その距離感が判ったように思えます。

 

有形文化財に登録されている「天文台歴史館」

天文台歴史館の外観です。写真では、第一赤道儀室に似ていますが大きさが違います

天文台歴史館の外観です。写真では、第一赤道儀室に似ていますが大きさが違います

大口径の巨大な望遠鏡は迫力があります。天井の様子は、船底の作りという事が判る木造ですね

大口径の巨大な望遠鏡は迫力があります。天井の様子は、船底の作りという事が判る木造ですね

太陽系ウォークを抜けると、三鷹キャンパスで最も大きなドームが見えてきます。天文台歴史館です。天文台歴史館は、2階建て構造となっており、内部には、口径65cmの屈折型望遠鏡が設置されています。

こちらの望遠鏡も、元々は観測用に使用されていたそうですが、建物の老朽化に伴い、スリットの開閉ができなくなってしまうのではないかといった点が危惧され、現在では展示室として利用され、建物自体は、国の有形文化財として登録されているそうです。

天文台歴史館の資料展示スペースです。雰囲気がありますね

天文台歴史館の資料展示スペースです。雰囲気がありますね

ガリレオガリレイの望遠鏡のレプリカです。以外な事に、短い方が倍率が高いそうです

ガリレオガリレイの望遠鏡のレプリカです。以外な事に、短い方が倍率が高いそうです

天文台歴史館の一階スペース。中央の白い台が、天文台の基台になっています

天文台歴史館の一階スペース。中央の白い台が、天文台の基台になっています

この建物のドームは、直径が15m、高さが19mもあり、1926年(大正15年)の建設当時には、このような大きなドーム型を建設する建築技術が無かったために、船底を作る造船技師の力を借りて建築されたそうです。このことからも、当時の技術の粋を集めて作られたという事がわかります。

 

さらに驚きなのは、望遠鏡を見る事ができるこのフロアの床、動くのです。

望遠鏡の鏡筒の傾きに応じて床を昇降させることで、鏡筒がどんな傾きの時であっても、無理の無い姿勢で観測を行うことができるのだそうです。建物の床ごと動かしてしまうという発想がすごいですね。ちなみに、現在は安全のため、床は固定されており、動かないそうです。

print
いま読まれてます

  • 日本の天文観測の聖地「国立天文台三鷹キャンパス」に行ってきた
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け