再発は防げるのか。年金機構の内部報告書、新聞各紙はどう伝えた?

 

問題のたびに同じ言葉が…

【読売】は1面トップに、「本部PC1台感染 原因」「管理権奪い 20台遠隔操作」との見出し。リードでは、「計125万件の流出はすべて、5月20日に機構本部の職員が標的型メールを開封したことが原因で、同21~23日の3日間で一気に流出したことが判明。その約2週間も前から断続的な攻撃が続いていたが、機構が有効な対策を講じなかったことで、甚大な流出被害を招いた」とある。

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《朝日》が1面と3面で表現している基本的な事実と比べ、読売の1面記事のリードは圧倒的に見事だ。極めて読みやすく、問題の構造、とくに「2週間も前から」の断続的な攻撃の位置づけなども頷ける。

記者による解説が付いていて、水島理事長が「職員が心を1つにして仕事をする組織に再生する」と語ったことを「問題のたびに同じ言葉が繰り返されている感はぬぐえない。今度こそ大多数の国民の個人情報を与るという責任の重大さを職員にかみしめさせなければ、信頼回復は望めない」としている。前半部分には賛成だが、後半の認識にしたがって、組織内のモラルを高めようとしても、多分ダメだろうと思う。機構は、飛躍的に安全で効率の良いシステムを作り上げることに専心した方が良いのではないか。でなければ、次もまた、同じ言い訳と「反省」を聞く羽目になるのではないだろうか。

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