猛威を振るう「O-157」、食中毒から身を守るための方法は?

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先日、埼玉・群馬両県などで店舗展開していた惣菜店「でりしゃす」で購入した惣菜を食べた客が腸管出血性大腸菌O-157に感染し、幼児1名が死亡した集団食中毒が大きな話題となりました。メルマガ『森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング』の著者で現役医師の宮田恵さんは「腸管を丈夫にするための食生活が大切」とし、おすすめの食材など、私たちができる「O-157から身を守る方法」を紹介しています。

O-157感染症

O-157腸管出血性大腸菌の代表的な細菌です。

大腸菌のほとんどは無害ですが、なかには下痢を起こすものがあり「病原性大腸菌」と呼ばれています。 病原性大腸菌には4種あり、うち腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生性大腸菌)はベロ毒素というものを出して、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症(けいれんや意識障害)を起こします。 まれに死亡例もみられます。O-157は家畜などの糞便中にときどき見られ、糞便や糞便で汚染された水、食物を介して、人の口に入りO-157感染症を起こします。

O-157の感染力は非常に強く、100個程度のO-157が身体の中に入っただけでも、病気を起こしてしまいます(多くの食中毒では、100万個以上の菌が身体の中に入らないと食中毒は起こりません)。 8月のお惣菜店の食材を食べて発症した(と推測される)例のほか、焼き肉店での感染、さらに漬物でも食中毒例がみられています。

O-157の生存条件・増殖条件

  • 水の中、土の中で数週間~数ヵ月間生きています。
  • 低温に強く、冷凍庫内でも生きています。
  • 酸性に強く、口から入ったO-157の大部分は胃の酸にも負けずに生き残ります。
  • 熱には弱く、75℃で1分間の加熱で死んでしまいます。
  • 増殖は、温かく栄養分と水分のあるところで盛んになります。 清潔乾燥低温を保つことで増殖を抑えることができます。
  • 身体の中では大腸で増殖します。
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