精子は過酷な競争に勝つため助け合うこともあると英研究

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受精の際に、何億個という精子の中から卵子とくっつけるのはたった1個。さぞや熾烈な争いが展開されているのかと思いきや、実は精子同士で協力していると発表したのが、英・シェフィールド大学の研究チーム。その研究結果の詳細が、無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』で紹介されています。

精子は過酷な競争に打つ勝つため、力を合わせていた

精子が卵子と出会って受精に至る過程での、精子同士の競争は本当にすごいものです。

何億という自分と同じような精子に打ち勝って、最後は一匹しか卵子に会えないのですから……。そういう過激な競争に打ち勝ったのが、我々です。それを思えば、人生の中の競争なんか、たかが知れています。

さて、精子はそのような過激な競争に打ち勝つため、たった一匹で戦い抜き、他の精子は全て敵、と信じられていたのですが、精子同士も生き残りのためには助け合いもするそうです。

これはシェフィールド大学のSimone Immler博士らが、ラットやマウスを用いた研究で明らかにしたもので、科学誌のPLoS ONEに記載されているものです。特にメスがオスを受け入れる態勢が充分な時で、かつ精子が多くのライバルと競争する必要のある時に有効のようです。

それによりますと、マウスの精子は緻密に計画された協力システムを持っており、これらの精子の頭部にある特殊な鍵状の構造がそうです。

そしてこれらの精子は、お互いに5~100匹で集合を作って泳ぐことが出来るようになり、そのおかげで一匹ずつが泳ぐよりも早いスピードとなり、卵子に届くまでの時間が短くなるということです。

すなわち、各々の精子はライバルの精子達に打ち勝つことのみを考えているわけではなく、ある時はお互いに協力し合って、他の集団より早く卵子にたどり着いて、受精する確率を高めていると考えられるそうです。

激しい勝ち残り競争に勝つには、時にはライバル同士が協力し合うことも必要ですよね。後々の人生にも応用できそうです。

image by: Shutterstock

 

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