実は損してない?「宿直」と「夜勤」は全く別物で賃金も全然違う

 

深田GL 「宿直と夜勤の違いについてですが、この両者は、夜から翌朝までの勤務という点は共通しています。働く時間帯が同じなので、勤務内容も同様ととらえがちですが、実は、業務内容や賃金や休憩時間も全く違う考え方なんです」

K社社長 「へぇ、そんなに違いがあるんですか? 当直っていう言葉も聞くことがありますが、これもどう違うんでしょう?」

深田GL 「そうですね。当直という言葉も夜の勤務をイメージでき、職場によっては夜勤や宿直のことを慣習的に当直と呼んでいるところもあります。でも、当直というのは、『交代制で当番を決めて勤務すること』が本来の意味で、業務内容や働く時間帯を指すものではなく、日直、宿直、どちらも当直といえるんです」

K社社長 「ふーん、そう言われればそうだね」

深田GL 「宿直と夜勤の違いは、1日8時間で週40時間までという法定労働時間で区別するとわかりやすいかもしれません。夜勤は法定労働時間内の勤務で、宿直は法定労働時間外の業務なんです。宿直は待機業務普段の通常業務は入りません

K社社長 「え? そうなのですか?」

深田GL 「はい、法定労働時間内の勤務である夜勤は、業務内容は通常通りで良いのですが、昼間勤務と夜間勤務では、夜間の方が負担は大きいですよね。そのため、22時から翌日の5時までは深夜勤務とされ、夜勤には深夜の割増賃金を加えた賃金を支払わなくてはなりません。割増率は25%です」

K社社長 「割増賃金は出しているけどね」

深田GL 「そもそも、宿直とは、夜間に勤務先に泊まることを前提とした勤務を指します。夜間は人手が少なくなる時間帯ですが、緊急事態が発生したとき、対処するための要員が宿直です。職場によっては定期的に巡回をすることもあります。主な業務は待機しながら必要時に責任者へ電話連絡をすることです。ですので、一般的には睡眠時間が確保されていることが多いです」

K社社長 「うちの場合は、多少の仮眠は取ってもらっていいんだけど、待機しているわけではなくて、休憩時間以外は昼と同じように働いてもらっているね。ということは、宿直とは言わないんだね?」

深田GL 「そういうことなんです。だから、宿直でない勤務に宿直手当という名前をつけるのはいかがかなぁと思って、おたずねした次第です」

K社社長 「そういうことなんだ…。ちっとも知らなかったよ。さっき労働局への申請の話があったけれど、あれはどういう申請をするんだい?」

print
いま読まれてます

  • 実は損してない?「宿直」と「夜勤」は全く別物で賃金も全然違う
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け