では、マンション管理業界はどうでしょうか。人手不足と働き方改革の波は、明らかに押し寄せてきています。
先日の記事「『お客様は神様』はもう通用しない」のように、管理会社に無理を言い過ぎると、管理委託費の値上げ提示があって、暗に、どうぞ断って下さい…という対応が増えるでしょう。直接、契約の更新はしないという管理会社から申し出もあるでしょう。人手不足を背景に、仕事の確保より人の確保が大命題になっています。
今、以前にも増して、フロントの方の転職が、大変多くなっています。ある管理会社の幹部の方の話です。過度に無理を言う理事や居住者がいるマンションの対応に疲れて、会社を辞めていく人がいる。会社はフロントのSOSをキャッチしても、替えられる人員がいない。つい、できる人に負担を強いることになる。そんな会社に嫌気がさし、会社をやめようと思うのは無理もない。それができないで、うつ病になり、長期休養になるよりはマシだ。現場スタッフの確保のためには待遇改善が必要で、その第一歩として、手が掛かり過ぎて利益が出ない顧客を切っていくことになるだろう…と。
では、手が掛かり過ぎる顧客とは…
- 内部が揉めていて、両者の板挟みにされる
- 理事会が長く、時には深夜に及び、常に出席を求められる
- 頻繁に電話やメールが来て、すぐ対応しないと怒る
- 何かとマンションに呼びつける
そんなことが上がりました。マンション管理業界にも働き方改革は必要です。よい人材がゆとりを持って働けた方が、結局は管理組合にもプラスになるはずです。
知り合いの設計コンサルタントの言葉が頭に浮かびました。
「管理組合に行っていて思うけど、管理会社のフロントって大変な仕事だよね。当たり前のように無理は言われるし、まっとうなことを言っても、管理会社は黙っていろ…みたいに聞き入れられない場面もある。自分の子供にはさせなくない仕事だね」
…と。あなたのマンションはどうでしょう?
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