無印良品から何を学ぶべきか?
この無印良品のチャレンジに、私たちは何を学べば良いのだろうか。
まずは、ブランドの構築の仕方が挙げられる。
無印良品は、安心安全な商品を提供する、という事業コンセプトが明確である。
今回、顧客単価を上げ、営業利益をあげたい、という戦略を取るときにも、事業コンセプトが明確なので、施策がぶれていない。
事業を開発、進めていく際には、このコンセプトが明確であるかどうか、市場のニーズにマッチしているかどうかを、確認する必要がある。
2点目としては、ブランドをマネジメントし、新しい事業を起こすときには、元になる「親ブランド」の資産を有効に使うことが重要だ。
無印良品の場合は、母体のイメージをさらに展開した、高級食材という新しいカテゴリーでの勝負を仕掛けている。その際に、親ブランドの“のれん”の力を借りているのだ。
このときに気をつけるべきは、親ブランドのイメージを傷つけないこと。
同じブランドで、低価格路線に行ってしまったりすると、相対的な、親ブランドの「見た目の価値」が下がり、ブランドファミリー全体が毀損されてしまう。
もう一点、WWDニュースによると、良品計画の金井政明・会長は、「巷ではIoT(モノのインターネット化)や、AI(人工知能)の話で持ち切りだが、ならばアンチ・インテリジェンスでやろうということ」と説明する。
生鮮食品を中心に生産者と消費者の距離を縮めたり、顧客との密接なコミュニケーションによって、「無印良品」をより生活に身近な存在にする。
「毎日の積み重ねで地元に溶け込んだ店にしたい。1年後どうなっているか楽しみだ」
と語ったとのことだ。
今後、どの業界でも人口減による、競争の激化が予想される。
そしてさらに、ITの進化による効率化がさらに進むことが予想される。
そんな中で、IT活用での独自化を図ることも大切だが、逆張りをして、人間にしかできないことで、独自な価値を提供しようとする点は、大いに見習うべきだろう。
このブランドイメージにも合致した、無印良品のアナログでのサービスによる独自化は、これからどう進化していくのか、とても楽しみである。
image by: 無印良品 公式