所長 「総務省の2016年の労働力調査では、35~59歳の『中年ニート』は123万人で、15~34歳のニート57万人の2.2倍の規模に達しているそうだ」
新米 「え? そんなに! 『40代ニート』『50代ニート』の方が多いんですか。そりゃ、問題だわぁ~!!」
深田GL 「彼らの親は、主に高度経済成長期にサラリーマンとして過ごし、経済的には裕福な方で子供の面倒もみてこれた。それが親が高齢になって、自分の病気や経済問題で立ち行かなくなり、SOSを発することで、中高年のニートたちの存在が表だってきたってことなんだろうなぁ」
E子 「いろんな事件も起こっているわ。『70歳父親が、ひきこもりの44歳長男を殺害(13年11月、広島県)』、『57歳ひきこもり男性が、パソコンを買ってもらえず、81歳父親を殺害(14年5月、三重県)』とかさっき、所長がおっしゃった飢えと寒さで孤立死した北海道の事件など」
所長 「事件にならなくっても、親の死後は生活保護を受けざるを得なくなる。その原資は税金だし、膨大な社会保障費が必要になる。ゴミ屋敷になるケース、介護につながるケース、いろんなことに広がるだろうなぁ…」
大塚 「これって、今も問題になってきているけど、20年後、30年後の方がもっと大きな問題になりそうですね」
深田GL 「増加する貧困化した中高年の老後を、減少した若者が支える。年金問題もどうなっていくことか…」
新米 「あちゃー。日本の未来は一体どうなる?」
● 8050問題(ハチマルゴーマルもんだい)* 新語時事用語辞典
ひきこもりの子をもつ家庭が高齢化し、50代の中高年のひきこもりの子を80代の後期高齢者にさしかかった親が面倒見るケースが増えている、という社会問題のこと。
いわゆる「ひきこもり」は一般的には10代~20代の若者の問題として捉えられがちだが、ひきこもりの問題が顕在化した1980~90年代から30年ほど経た現在、当時のひきこもり世代が社会に出る機会を逃したまま今なおひきこもり続け、50代になろうとしている、という例が少なくないと見られている。生活は以前と同様に親に頼ることになるが、親も仕事は退職しており家計も厳しくなる一方、また体力も衰えはじめ面倒を見切れなくなり、親子ともに世間から孤立しがちになると指摘されている。
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