いまだに大きな爪痕を残す、西日本で発生した「平成30年7月豪雨」。被災した後、人々が取り戻したいと語っていたものの一つに「写真」がありました。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、著者の須田將昭さんが、いまの時代でもやっておきたい「写真のプリント」、そして被害を受けた写真やアルバムなどの復旧方法などを紹介しています。
写真を残すということ
今回の豪雨災害に関連する話題として「写真」について少しだけ書いてみます。「災害」と「写真」となると、報道写真が思い浮かぶかもしれませんが、ここでの「写真」は家族の写真、普通の写真を指します。
「写真とは何か?」という議論は、その誕生以来、「芸術なのか否か」という議論からずっと続いています。「写真」が持っている非常に大きな特徴として、「記録」というのは欠かせない一面です。そしてこれが最大の強みだと思っています。
今回の災害のように、家の中に水が入り込み、一切合切が流されてしまったようなあとで、人々が取り戻したいと思うものの一つに家族の記録写真と言われています。東北の震災でも、写真を探して歩く方々が大変多くいらしたと聞いております。
失われたものを取り戻したい…そういう気持ちのよすがとなるのが、ある時点での家族の肖像、知人の肖像を記録してくれていた写真なのです。
失われることを前提に今を撮っておきましょう…と呼びかけるのはなんとも切ないことなのですが、ある程度年齢を重ねてくると、「今、この人の写真を撮っておきたい。撮っておかねば」という気持ちが強くなってきたのは事実です。
家族の写真もできるだけきちんと撮っておき、すぐにプリントして、それぞれに渡すようにしています。友達もそうです。何人かを写したらできるだけみんなに手渡しておく。
「今時はデジタルデータがあるからプリントなんて…」
そう思われるかもしれませんが、いざという時、手元にプリントされた写真を見ることほど、心を癒していくもの、時を解けさせていくものはないだろうと思います。
みなさんもきっとたくさんの写真を残していらっしゃると思います。今は本当に簡単に写真を残せる時代です。そこでもう一歩進んで、ぜひプリントをして、周りにも配っておいてください。別に災害対策ということだけでなく、ひょっこりとプリントされた写真が出てくるのを見るだけで、「あ、こんな写真撮ってくれていたんだなぁ」と振り返ることもできて、きっと喜ばれますよ。
今回の災害に対応して、富士フイルムが
というページを用意して、写真アルバムやフィルムが水や泥をかぶってしまってもあきらめないで、すみやかに適切に処理すれば、劣化を最小限に防げますよ、思い出を長く残していけますよ…と呼びかけています。
ぜひ、こういったところも参照してください。もしまた身近に被災した方がいらして、写真をなんとかして見られるようにしたいという方がいらしたら、この情報をお伝えいただければ…と思います。
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