「継続は力なり」とは言いますが、毎日何かをし続けるのは思った以上に大変なことですよね。なかなか実行できずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな人のために、現役弁護士の谷原誠さんが自身の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』で紹介しているのは、ヘミングウェイも実践していたという裏ワザ。かの文豪はどんな工夫をしていたのでしょうか。
ヘミングウェイの仕事術
こんにちは。弁護士の谷原誠です。
物事を続けていくのは、大変なものです。今日はできたとしても、果たして明日も続けられるのか、ということが問題です。
アーネスト・ヘミングウェイは何冊もの本を執筆しましたが、彼も、執筆を続けるのに苦労しました。彼は、その日の執筆を終えた後、翌日も執筆を続けられるように、ある工夫をしました。それは、その日の執筆を終える時に、節や段落の終わりではなく、文章の途中で終える、ということをしました。そうすると、未完成の文章になります。
心理学用語に「ツァイガルニック効果」というものがあります。人は、完成した課題よりも未完成の課題の方をよく憶えている傾向がある、という法則です。テレビでコマーシャルになる前に、「この後、大変なことが!」などというテロップが流れると、気になってチャンネルを変えられなくなるのは、このツァイガルニック効果が働くためです。
ヘミングウェイは、未完成の文章にすることにより、翌日、すぐにその未完成部分から執筆を開始できるように工夫していたのです。ベストセラー作家のダニエル・ピンクも同じような執筆方法をとっているそうです。
私は、司法試験の受験時代、ツァイガルニック効果を知らずに、この方法を採用していました。司法試験では、毎日基本書を読み込むのですが、辛いので、翌日すぐに始められるかどうか、不安がありました。そこで、その日の勉強を終える時に、基本書を閉じたり、しまったりせず、翌日、机に座るとすぐに勉強を開始できるように、基本書を開き、蛍光ペンを置いたままにしておきました。すると、翌日、起きて顔を洗ったりして、机に座ると、ただちに昨日の続きから勉強を開始できる、というものです。
物事を続けていくのは大変なことです。今日できても、翌日、一歩を踏み出せるかどうかが、勝敗を分けることになります。そのために、ほんのわずかな工夫をし、自分をコントロールすることが重要ではないか、と思います。
「自分の欠点ばかり気になり出したら、そんな劣等感を直してくれる人間はこの世に一人しかいない。つまりあなた自身だ。」(デール・カーネギー)
今回は、ここまでです。
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