上野に独占させるな。和歌山白浜に勧めたいパンダ+αの町おこし

hs20181122
 

メディアでおでかけ情報が特集される際、宣伝効果が高そうな場所や施設が優先して取り上げられ、当然そこに足を運ぶ人も増えていきます。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者の佐藤きよあきさんが、よくよく調べるとハイクオリティーだったり、潜在的な集客力は高いのに知名度がいまいちな施設や地域を、行ってみたくなる場所として「効率良くPRする方法」を紹介しています。

南紀白浜「パンダヴィレッジ」の潜在能力とは?

和歌山・白浜の「アドベンチャーワールド」をご存知でしょうか。パンダを次々に繁殖させている実績がある動物園遊園地です。パンダの赤ちゃんが生まれたというニュースが何度も流れているので、日本中の誰もが知っている、と言いたいところですが、意外と認知度は低く、来訪者もそれほど多くはありません。

上野動物園でパンダが生まれたというニュースは、すぐに流れ、入場制限をしたり、大行列になったりします。見るためにはかなりの労力を必要とします。しかし、白浜のパンダを見ることは、非常に容易です。公開直後に行っても、ゆっくり見ることができ時間制限もありません

なぜ、白浜には人が集まって来ないのでしょうか。

第一には、場所の問題があります。大阪からでも、電車とバスで3時間は掛かります。東京からなら、飛行機とバスorタクシーで2時間ほどですが、パンダを見るためだけに、飛行機を使うことはないでしょう。

第二には、PR不足です。上野のパンダは、東京のテレビ局がすぐに取材に駆けつけるので、ニュースにも流れやすいのです。しかし白浜では、大阪のテレビ局が来ないと、ニュース映像を撮ることはできません。来たとしても、関西ローカルのニュースになるだけです。地元のテレビ局もありますが、そんな機動力を持ち合わせてはいません。次々にパンダが生まれていても、全国ニュースにはなりにくいのです。

パンダのPRをもっと拡大すれば良いのですが、集客力が低いため、潤沢な宣伝費がありません。つまり、アドベンチャーワールドは、テレビや雑誌の取材を待つしかPRの方法がないのです。

考えられるのは、パンダを中心に南紀白浜全体を観光地としてアピールすることです。元々、白浜は温泉街として有名なところだったので、慢心があるのか、PRが不足しているのではないでしょうか。

ただし、単にPRをすれば良いという問題ではなく、新しいPRの方向性を探す必要があります。「パンダ」「温泉」「海産物」という、従来の名物に頼っていては、何も進歩しません。白浜に足を運ぶことにどれほどの魅力があるのかを提案しなければなりません。

print
いま読まれてます

  • 上野に独占させるな。和歌山白浜に勧めたいパンダ+αの町おこし
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け