ところで、中国との問題はすでに様々なところで出始めており、例えば、米国経済でも重要視されているスタートアップ企業への投資が減速している。もともと運営資金のために投資を募るので、投資が止まれば経営していけないなんて会社も出てくるだろう。中国企業からの投資を中心に受けていた会社は要注意だ。
ご参考:
● The Chinese investment boom in America is over
● China investment in US slides to 7-year low in 2018 amid trade war
実はこうした不景気への懸念は昨年秋頃から報じられはじめていたが、年始早々の小売業界最大のイベントで改めて強調されたのは、いままさに進行中の政府機関閉鎖の問題が関係している。
日本のニュースでも報じられていると思うが、政府機関が閉鎖すると政府機関で働く人たちのお給料がでない。お給料がでないならと、病欠が増え人員減となっている。
無給でも働いてくれている人たちはたくさんいる。彼らが無給で働いた期間は政府機関閉鎖終了後に遡って支払うべきという話になっており、一応、法案は通っている。しかし米国史上最長の閉鎖となっているため、いつ支払われるのか不明だ。
ご参考:
● 9 key questions about the longest government shutdown in history, answered
そして、この政府機関閉鎖は政府機関で働く人たちだけでなく一般人にも影響してくる。毎年確定申告後に戻ってくる税金があるのだが、その払い戻しが遅延する可能性がでてきているのだ。
収入によるが払い戻されるのは毎年かなりの金額となる。使い道はたいがい車や家、ローンの支払いなど大きな買い物に充てる人が多いとの調査結果が出ている。その払い戻しが遅れることで、消費は減速。
しかも、政府機関閉鎖のような何が起こるかわからないといった世の中の不安定さは、消費に影響する。米国外からの景気影響に加えて、不景気を引き起こす要因の1つになるのではと見られており、年始早々から先行き不安だという見解が広まっているのである。
ただし、周知のとおり、予想が外れることはあるだろう。もしかしたら、不景気になるとたくさん報じられることで結果的に好転するかもしれない。どうなるかわからない。けれども、そんな中でも信念を持って世の中のために何かしたい、実際にしてきたという起業家や専門家たちが今年のNRFにはたくさん集まっていた。
次号以降は、そうした人たちのお話をご紹介しようと思う。
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