そうしてこの季節、旅先で待ち受けているのは冬~早春の味覚である。越前や山陰ではカニが解禁を迎えて旬の時季だし、山に行けば体を芯から温める根菜類がうまい。もうしばらくすると山菜の季節も始まる。
知人の栄養士によると旬野菜は旨味が濃く、栄養価も高いという。ほうれん草のビタミンCは、旬以外の時期の2~3倍、キャベツのβカロテンも2倍といわれ、これらの栄養素は抗酸化を促進する力があるそうである。
魚介類にも、ほど良い脂が乗る時季だ。魚の脂としてよく知られるDHAやEPAは、不飽和脂肪酸の中でも、とりわけ健康に良いとされるオメガ3脂肪酸である。これらは血管をしなやかに強くして中性脂肪を減らす、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす、などの効果があるとされている。
さらに、免疫力アップ効果がある温泉旅の「転地作用」を促進させてくれるのが、土地土地の旬の幸なのである。「普段は食べない料理」を「旅先で味わう」事によって、非日常性をおいしく楽しめる、これがストレスを軽減させてくれるのに役立つわけである。
温泉施設や宿の浴室で、湯口にコップが置いてあることがあるが、こういうところはお湯がフレッシュであり、循環していない名湯である、ということでもある。入浴前の水分補給にも、ミネラルを豊富に含んだ温泉を飲むのは大いにオススメできる。
そんなわけで、飲みすぎない程度に、温泉を飲んで健康になりましょう。僕なんぞは糖尿で痛風でドロドロ血なので、積極的に温泉を飲むようにしている。
ちなみに、「糖尿病」「痛風」にいいのは「炭酸水素塩泉」、「ドロドロ血」つまり「高コレステロール血症」に良いのは「硫酸塩泉」「含よう素泉」である。メタボな同志の方々、がんばって温泉を飲みましょう!
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