ドイツの変心、フランスの親日
ドイツは、自国企業の中国進出をサポートして、中国との友好関係を日本の関係より優先していた。しかし、自国製品の輸出先であるEU内での中国製品の拡販で、ドイツ企業は大きなダメージを受け始めている。特に欧中直通貨物列車で大量の製品を欧州に持ってこられるようになり、欧州が中国製品の一大市場になっている。この影響を一番受けるのがドイツである。
そして、徐々にドイツが得意としている機械分野でも技術を盗まれ、安い中国製品に取って代わられ、中国国内での自動車の売れ行きも落ちて、中国への輸出も中国経済が減速してダメになっている。
このため、中国離れを起こしているようである。独ハイコ・マース外相は、台湾の武力統一を中国が示唆したことで、中国を批判している。また、米国のような強烈な制裁をしない中国との公平な取引交渉をしたが、交渉が暗礁に乗り上げ、埒が明かない状態になっている。
このような状況から、中国友好から日本との連携で自由世界を守る方向にシフトするようである。このことは、ヒットラーが予言したことであるが、その方向に、やっとドイツは向かうことになった。
第2次大戦前、日本は科学技術分野でそれほど大きな存在ではなかったが、その内、日本は科学技術分野で一流になると予言して、ドイツのヒットラーは日本を対等な同盟相手として認めたのである。
そして、フランスと日本は、ルノー・日産のアライアンスで結びついている。日本の技術がフランス経済の中心を担っているともいえるので、フランスも日本との関係を大切にするしかない。
日独仏の連携で、米国の一国主義も中露の全体主義も乗り越える必要があり、そうすると、日本はロシアや中国との関係も変化させる必要になる。中露時代の対抗勢力として、日独仏同盟ができるのかもしれない。特に、ロシアとの関係は、北方領土の返還もないなら、EUと同じレベルへ引き下げも考えるべきである。
もう1つ、日本が、米同盟とEUをつなぐブリッジになる可能性が出てきた。この準備のために、メルケル首相が日本に来ることになったと見る。
このような独仏との関係によって、今まで失敗続きの日本外交の立て直しを期待したい。
さあ、どうなりますか?
image by: 首相官邸