繋がってない携帯で長電話?在米日本人が明かす「NYあるある」

 

3)ホームから身を乗り出して、念力を使う

「ニューヨークは地下鉄が24時間で便利でいいですね」―。たまに日本の人に言われます。確かに、たまの日本出張、ふと、忘れかけている「終電」という概念を思い起こすことがあります。「そーいえば、24時間営業じゃなかったな」と。(でも、その分、日本には、漫画喫茶とか、カプセルホテルとか、便利なモノがあふれてるけどね)

だからといって、MTA(ニューヨーク地下鉄)が24時間で便利かと言うと、ミッドタウンのど真ん中でも、真夜中の地下鉄に乗ろうとは思いません。危険だから、じゃないです。「来ないから」。1時間や、1時間半に1本とか、そんな割合なので、汚く、臭く、暗く、安全でもない、地下鉄のホームで、真夜中、来るか来ないかわからない電車を待つことは、なるべく避けたい。日本のように時刻表があるわけでもない(いや、厳密にはあるらしいけれど、誰も信用してないし、見ている人もいない)

真夜中でなくても、通勤ラッシュ時以外のニューヨークの地下鉄は、気まぐれです。来たり、来なかったり、来なかったり、やっぱり、来たり。次の電車がいつ来るか、という電光掲示板がある駅の方が少ない。基本、運を天に任せて、いつ来るかわからない電車をみんな待ってます。

その上、世界一せっかちなニューヨーカー、待つか、あきらめて地上に上がって他の交通手段をとるかしかないのだけれど、とりあえず、イライラしながら、電車が来る方向を睨みます。プラットホームから身を乗り出して。真っ暗な電車が来るであろう方向を。まるで、念力で、来ない電車を来させるかのように。

全員が、ホームから身を乗りだして、睨みを聞かせる光景は、ちょっと他の街では見ないかもしれません。

4)つながってない電話で長々と会話する

日本だと、「あなたの為に祈らせてください」、でしょうか。駅前で、捕まります。ニューヨークでは企業アンケートや、捕鯨反対運動や、NY緑地化計画や環境問題について、道端で捕まることが少なくありません。クリップボード持ってる、緑や黄色のTシャツを来た若い子達が、くっつけたような笑顔で「ハーイ♪ハウ・アー・ユー」と進行方向を塞ぎながら、話しかけてきます。

そんなとき、ケータイが鳴ったフリをして、今、話し中を演じます。たぶん、アンケーターたちも気づいてる。その電話が繋がっていないことを。そして、ケータイで話しをしてるフリをしてる方も気づいている。気づかれていることを。電話がつながっていないことがバレてることも、また気づいている。お互い、もちろんわかってる。

つまりはプロレス、です。だいたい、こんなベストタイミングで、そんな都合よく電話がかかってくるなんてことはそうそう、ない。この一連の動作は、言ってみれば「お断り」のポーズ。大人のニューヨーカーの流儀。はたから見てるとかなりおもしろいけれど。4人~5人のアンケーターの中を、くぐり抜ける「たった今、電話が鳴った」多くの人たち

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