オリジナルサプリメント製造販売は個人で可能?プロに聞いてみた

 

ところが、オリジナル性の高い商品を作った場合はなかなかそういう訳にはいきません。つまり、ロットの問題が生まれてきます。原料にも材料にも最低ロットというものがあります。また工場を一回稼働させることで、最低限生産されてしまう数量もあります。どのロットに合わせて製造するのかも、重要なポイントであります。

何故ならば、サプリメントの場合はすべて賞味期限があるからです。大量に作り過ぎて余ってしまわないように、当初はどこかのロットに合わせて最低ロットの生産をしていくのが一般的でしょう。

いずれにしても、もし個人でサプリメントを作りたいというのであれば、製造に関して言えばOEM先を探してそこと相談することで実現は可能かもしれません。

実際、より難しいのは、販売の方でしょう。今は以前と違ってネット通販も簡単に出来ますし、SNSなどを使えば容易に告知やPRも出来るようになりました。しかし、実際に何個販売できるかは、相当、未知数と言わざるを得ません。

在庫を保管すれば保管料が日々かかってきますし、先ほどの賞味期限も日々近付いてくるわけですから、販売見込みは精度を上げて立てなくてはすぐに窮地に追い込まれていきます。

また、販売を始めると、想定外の様々な問題も生まれてきます。お客さんからの問い合わせもあるかもしれません。時には何らかしらの不都合によるクレームが発生する可能性もあります。

以上のように、理屈のうえでは不可能ではありませんが、実際は、想像以上に色々なハードルが待ち構えていることは理解しておく必要があるでしょう。

そして最後にもう一つアドバイスをするならば、必ずしも儲かる商売ではありません。特にプロテインはその傾向が顕著です。商品には原価というものがあります。一般的には原料費と材料費とそれを作るための加工費などで構成されています。

この原価率が高いということは、商品に占める中身の比率が大きいという事にもなります。サプリメントは化粧品などと比較されやすいかもしれませんが、圧倒的に原価率としては高いと言えます。特に、プロテインの原価率は群を抜いています。

これは何を意味するかと言えば、利益が少ないということです。仮に薄利であっても大量に売れれば金額的には大きくなりますが、少なくとも利益率はかなり低くなります。

プロテインは、市場が大きい分、競合も激しく、特に最近は価格競争が激化しているために、各社とも、相当、利益を削っていることは容易に想像できます。

加えて、原料のホエイの価格は、為替や需給バランスによって高騰し続けているため、プロテインが利益商材ということはまず言えません。この辺りも十分に事前情報として理解して臨むことをお勧めします。

image by: Nejron Photo, shutterstock.com

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桑原塾塾長 桑原弘樹は、国内大手食品メーカーでサプリメント事業を立ち上げ、全商品の企画開発に携わる一方、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部PDAなどの立場で、国内外問わず多くのトップアスリートに直にコンディショニング指導を行ってきた。サプリメントは作るだけにとどまらず、「日本で一番使っているのでは」と豪語するほどのユーザーでもあり、年間300回のワークアウトも欠かさない。サプリメントやダイエットなどの分野で、多くの情報が散乱する昨今。サプリメントを作り、自ら試し、活用法を指導してきた、桑原塾長が、本物で価値あるボディメイク情報を提供すべく、スクランブル発進する!!!

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