しかし、一般的には、「2018年に米中覇権戦争が起こった」といわれています。なぜ???
古森先生は、中国研究の権威ロバート・サター教授に、その理由を尋ねました。
「ロバート・サターさんて誰ですか?」
古森先生は、こう書いています。
サター氏は米国歴代政権の国務省や中央情報局(CIA)、国家情報会議などで中国政策を30年以上、担当してきた。10年ほど前に民間に移ってからも、ジョージタウン大学やジョージ・ワシントン大学の教授として中国を分析してきた。
サター氏の認識に私が重きをおくのは、彼が政治党派性に影響されていないという理由もある。政府機関で働いた時期はもちろん官僚としての中立性を保ってきた。個人的には民主党支持に近い立場のようだが、民間での研究を続けてからも、時の民主党政権をも辛辣に批判し、共和党政権からも距離をおくという感じだった。
一言でいえば「偏りのない権威」なのですね。サターさんは、何を語ったのでしょうか?なぜ、アメリカは中国に強硬になったのでしょうか?
ロバート・サター氏(以下、敬称略)
変化を招いた直接の原因は米国側での危機感でしょう。中国をこのまま放置すれば米国が非常に危険な状況へと追い込まれるという危機感が、政府でも議会でも一気に強くなったのです。
なぜ危機感が一気に強くなったのでしょうか?
米国側の危機感、切迫感を生んだ第1の要因は、中国がハイテクの世界で世界の覇権を目指し、ものすごい勢いで攻勢をかけてきたことです。
なるほど~。いわゆる「中国製造2025」ですね。しかも、「5Gの技術力トップはファーウェイ」という事実が示すように、「中国がハイテク世界覇権」といわれて「ありえるよな」という状態になってきた。それで、アメリカもマジになってきた。
第2には、中国側が不法な手段を使って米国の国家や国民に対して体制を覆そうとする浸透工作、影響力行使作戦を仕掛けてきたことです。
中国は「不法な手段を使って、国家体制を覆そうとしている」そうです。別の言葉で「革命工作をしている」ということでしょう。アメリカでこういう認識が出てきたこと、日本にとっては喜ばしいことです。