4千年の歴史は伊達じゃない。中国古典の知恵をビジネスに活かす

 

経営戦略に関する言葉

最後は、経営戦略に関するものです。代表的な戦略書孫子からも一つ抜き出しておきました。

善(よ)く戦う者は、これを勢に求めて人に責(もと)めず

孫子の兵法は、本当に経営者に参考になることばがたくさんあります。この言葉もその一つで、組織の動かし方についてです。意味は「一人一人の能力や働きに過度の期待をかけないで組織全体の勢いを重視するのが良い戦い方だ」ということです。

もちろん、企業にとって社員一人一人の能力が高いことは良いことですが、それよりも組織全体が同じ方向に向かっていく方が経営はうまくいく、と言っているのではないでしょうか。そのために経営者やリーダーは力を使うべきだとも言っているのでしょう。

中小企業の経営者は、時に人材不足を嘆きます。しかし、中小企業には思った人材が集まるわけではありません。ですから、経営者はしっかりと組織の方向を指し示すことです。全社一丸となって動くことこそ求められています。

組織が小さいからこそ、それが出来やすいのです。

そこから優秀な人材も育っていきます。そんなことを教えられる言葉ですね。

天下意の如くならざるもの恒に十に七八に居る

そうなんです。この気持ちはよくわかります。思いどおりにならないことはしょっちゅうあります。この言葉は、中国晋代(265~316年)の羊枯ようこという名将が呉の国を攻めるときに言ったものです。なかなか作戦がうまくいかなかったのでしょうね。

私も子供のころから、親に「何でも思いどおりになるものではない!」と、よく叱られました。とはいえ、思いどおりになって欲しいと思うのも人情です。そこで、成功の法則のような本も読みあさりました。それで一時的にはうまくいくことはありますが、やはりうまくいかないことの方が圧倒的に多いです。ですから、思いどおりに行かないときにはこの言葉をかみしめることにしています

あなたはいかがでしょうか?

以上、中国古典から6つの言葉をご紹介しました。どれか心に止まった言葉はあったでしょうか。また折を見て第三弾をご紹介します。

今日のツボ

  • 経営にはいくつもの分岐点があるが、立ち止まることも必要
  • 経営がうまく行くかどうかは経営者の心と姿勢にある
  • 個人ではなく組織全体で戦略を実行することが重要だが、思い通りにいかないこともあると心得る

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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