なぜ日本では「インクルーシブ教育」の議論が前に進まないのか?

 

この3紙が「インクルーシブ教育」を報じる最初は、朝日が2006年の熊本県版の「障害児教育の専門性考える」であり、毎日が1999年の高知県版で「今どき教育学」という不定期のテーマ企画で「インクルージョン 障害児と健常児を区別せず 統合教育とは一線」との見出しで、新しい考え方を紹介。読売新聞は2010年8月14日の社説で、政府の新たな障害児教育制度が示されたのを受けて「『差別なき教育』全体像示せ」と主張する中で取り上げられている。

朝日と毎日が地域の草の根の動きを関心のある記者が取材し書いた地方発で「インクルーシブ教育」が発出された一方で、読売新聞は社説という全く正反対の「新聞の権威」から示され、その中身も政府に対する反応だった。

しかし内容としてはインクルーシブの議論ではなく、全体像への注文。この3紙を見る限り、インクルーシブの考えに距離感を置いている印象がある。そして現在もインクルーシブが幾分は浸透したものの、その状況はあまり変わっていないように思う。これを「反省」して前に進めたい、と頭を悩ませている。

image by: Shutterstock.com

引地達也この著者の記事一覧

特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ジャーナリスティックなやさしい未来 』

【著者】 引地達也 【月額】 ¥110/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • なぜ日本では「インクルーシブ教育」の議論が前に進まないのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け