2兆円が回収不能。なぜ孫正義氏はWeWorkに「騙された」のか?

 

高校生の7割、中学生の6割、小学生の半分が月に1冊も雑誌を読まない状況はなぜ生まれたのか?

子供達の書籍離れがストップしたのにも関わらず、雑誌離れが加速しているのは、政府による書籍のサポートがあったから、雑誌関係者もロビー活動をして政府のサポートを得るべき、という記事です。

私から見ると、既に紙はメディアとしてスマホに完敗していることは明確で、今の時点で重要視すべきなのは、「どうやってより多くの良質なコンテンツに子供たちに触れてもらうか」でしかないと私は思います。

しかし、スマホというメディアには、Line、Twitter、Youtube、漫画、ゲームなどの様々なライバルがおり、その中で、子供たちにコンテンツを楽しんでもらうのは簡単ではありません。特にスマホは、紙の媒体と違って、「様々なコンテンツが楽しめる汎用デバイス」であるため、「今は読書の時間」のように親や教育者がコントロールするのが難しいという側面があるのが、とても悩ましいところです。

この問題に対しては、大きく分けて二つのアプローチが考えられます。

一つ目は、技術でコントロールする方法で、「読書の時間には読書アプリ以外のアプリにアクセスすると先生にすぐにバレてしまう仕組み」などを導入するなどして、ある程度強制的にコントロールするアプローチです。お金はかかりますが、専用デバイス(KioskモードにしたiPadなど)を親や学校側が提供する手もあります。

二つ目は、子供たちにコンテンツで真っ向から勝負するアプローチで、ゲームやYoutubeに負けない魅力を持ったコンテンツで、子供たちが自らそのコンテンツを選ぶように仕向けるのです。その意味では、文字にこだわらず、漫画や動画を使ったスマホに最適化されたコンテンツで勝負することも真剣に考える必要があると思います。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2019年11月12日号の一部抜粋です。

image by: glen photo / Shutterstock.com

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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