意外な切り口になるかもしれませんが、数値などの客観的な情報を付け足すだけでも、語彙力になり得ます。
上述のように、語彙力とは、より正確緻密に表現しようとする姿勢であり、単語一つでなくても、説明を付け足すだけで、より正確緻密な表現になるものですが、それは客観情報を付け足すという方法でも、実現が可能なのです。
具体的に、これまでの各方法に当てはめながら考えてみましょう。例えば「広い」っていうことが言いたかったとして、
・度合いの微妙な違いを言い表すこと
であれば、「野球場としてはやや広めぐらいの部類」とか
・強調の接頭語などを使うこと
であれば、「めちゃくちゃ広い」などの各バリエーション
・類義語で言い直すこと
であれば、「でっかい」「広々としている」「開けている」とか。
・擬音擬態語を使う
であれば、「どーんと広い」とか?
・比較比喩を使う
であれば、「神社の森みたいに広い」とか?
・それらをさらに二つ以上重ね、組み合わせること
であれば、「広いなぁ~雄大!」
・気持ちを言い分ける、主観表現の工夫
であれば、「広くて気持ち良い!羨ましい!」
・「どこが」「どう」「なぜ」を付け加えること
であれば、「あの部分だけが丸く広くなっていますね」とか…
そして、
・そのほかなんらかの説明を付け足すこと
そのための手段としての、客観情報付け足しです。
「広いですね。面積は〇ヘクタールです。」あるいは、比較比喩とダブりますが、「広さは、東京ドームふたつぶんです。」など。
また、自分の気持ちなども、数値で表すことができます。「不安と楽しみ、半々です」とか、前の記事でご紹介した「7割がた、賛成です」みたいな言い方も、この部類になりますね。
このような客観情報の付け足しは、類義語への言い換えなど、言葉をいろいろこねくり回すのが、どうも苦手という人が、語彙力を付ける方法として、とても導入しやすいと思います。
これも語彙力です。言葉で表現することを、諦めないでほしいのです。