寿命も延びる?家庭教育のプロが説く良いこと尽くしの読書の効用

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小学生の読書量が激減しているそうです。また、日本の高校生の読解力の低下も明らかになり、読書量と得点の相関も指摘されています。そうした背景からか、読書量を増やそうとする教育現場の動きがあるようです。しかし、読書習慣がなかった親御さんの中にはその必要性がわからない人もいて、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんの元に質問が舞い込みました。柳川さんが説く読書の効用の中には、大学の研究で死亡リスクが2割低いというものまでありました。

読書が寿命を延ばす?

Question

shitumon

学校から子どもたちになるべく読書をさせるようにと言われましたが、正直なところ、知識はテレビやネットで得られるし、物語ならアニメになっていることもあるので、そちらで見る方が早いです。読書の効用が、具体的にわかりません。私自身、本をあまり読まずに育ちましたが困ったことはありません。(小学5年女子のお母様より)

柳川さんからの回答

つい先日、小学生の読書量が30年間で1/3になった、と報道されていました。1ヶ月の読書量が5年生は2.3冊で、6学年の中でも一番少なかったのだそうです。

今は読書の他にも子どもたちが楽しめるものがたくさんあります。また、仰るように読書ではなくても同様の知識を得ることができます。今日は、読書で得られる効用についてお伝えします。

1.自分とは違う価値観を知ることができる

例えば、偉人の考え方や思想に触れることができます。自分と違う時代を生きた先人たちの言葉は、私たちに異なった視点からの見方や、価値観を与えてくれます。伝記や過去の名作を読むことは私たちにとって大きな力になるのです。

2.健康寿命が延びる!

ミシガン大学の研究によると、3635人を対象に12年間の追跡調査を行った結果、読書を習慣にしている人は、そうでない人に比べて死亡リスクが2割低いことが明らかになっています。

また、新聞や雑誌を読むよりも読書する方が寿命が長いことも明らかになりました。

詳細はこちら:
A Chapter a Day – Association of Book Reading with Longevity

3.思考力が伸びる

歴史小説や偉人の伝記などは、アニメになって動画で見ることができるでしょう。情報量としてアニメの場合は、音声と映像が入ってきます。一方、読書の場合は、文字情報のみです。入力される情報量がアニメに比べて少ないので、「想像力」で補う部分が多くなります。

「想像力」とは自分の言葉で考えたり、視覚的なイメージを思い浮かべたりすることです。この作業を担うのは、脳の「言語野、視覚野、聴覚野」です。意識的に読むため、脳のこの部分が活性化します。

人の思考は言葉を基礎に、想像力が加わって出来ています。言語力と想像力があることで思考の飛躍や展開ができるのです。読書の習慣は、私たちに欠かせない「思考する脳」を作るのです。

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