国際交渉人が予測した新型コロナによる世界の分断と新時代の到来

 

結果、市場に対する信頼は失われ、それが全世界的な株安と、ジェットコースターのような乱高下を繰り返す市場の状況を生んでいるように思います。今、いかなる協調的な介入も不発に終わりがちな元凶は何かといえば、2008年のリーマンショックの後に誕生したG20による協調体制が、2017年のトランプ政権の誕生以来、国際協調の終焉が始まり、アメリカを起点とした自国第一主義が世界に蔓延したことで、協調に基づいたunified actionsが主要国で取れなくなったことにあると考えます。

その例が、“協調した”金融政策とは名ばかりで、各国政府と中央銀行が独自に経済政策と金融措置を発行し、その他の政策手段も、国境封鎖や入国拒否といったように協調ではなく、自国を守ることに専念した内向きのベクトルに変わっています。このような内向きの対策の連発により、世界は分断を明確にすることになったと思われます。そこに止めを刺したのが、恐らく今回のCOVID-19です。

原油安と米中の非難の応酬

その分断は、うまくロシアのプーチン大統領に“利用”され、OPEC Plusでの協調減産の崩壊へと誘導された結果、新型コロナウイルスの蔓延によって掻き立てられた市場への不安からの株安に、原油価格の著しい下落という要素を加味することで、世界を混乱とパニックの渦に巻き込むことになっていると言えます。

ロシアとOPECの雄であるサウジアラビアによって行われる増産というチキンレースに他の産油国(中東)も乗せられて、原油先物価格の下落が止まりません。消費者的には原油価格の低下は実生活にはプラスですが、イントロのロシアのたくらみのところでも触れたように、1バレル20ドル台の原油価格は、産出コストの高いアメリカのシェール企業の収支を著しく悪化させることで、アメリカの経済を停滞させ、増産による原油価格の下落は、中東の産油国の資金力を削ぐことになり、主にアメリカのスタートアップやテック産業に投資されていた潤沢なオイルマネーの引き揚げにつながることで、アメリカ企業はもちろん、米ドルとNYSEに連動する世界経済に非常にシビアな冷や水を浴びせる結果になりました。

「マーケットの底はどこだろう?」と投資家たちのパニックを引き起こし、より相互への不信が世界で増大するという、まさに分断の世界地図が生まれています。そう、第1次世界大戦直前や第2次世界大戦直前のように。

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