外出禁止令下の米国在住日本人が語る、NY「ロックダウン」の真実

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全世界を恐怖のどん底に叩き落とし、なお今も猛威を振るい続ける新型コロナウイルス 。その感染者数が発生源の中国を抜き、そして医療崩壊が叫ばれるイタリアをも抜いて世界一となったのが他ならぬアメリカです。メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者でNY在住20年、『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんは、22日に外出禁止令が出されたニューヨークの様子について現地からメルマガを更新。在住邦人としての視点で語られた、現在のニューヨークの姿は、私たちの想像とは異なるものでした。

ニューヨーク、LOCK DOWNのリアル

日本でも大々的に報道されている通り、現地時間22日の20時より、ニューヨーク州では、外出禁止令が発令されました。

新型コロナウイルス拡大により、事実上の都市封鎖、LOCK DOWNということになります。

そこから今、3日が経っています。 現在、現地時間の25日の夜8時にこれを書いています。 東京オリンピックが正式に延期になったニュースが流れてきた翌日です。

一昨日(23日)は、米国での1日の死者がとうとう100人を超え、合計500名以上の死者が米国だけで出たことになります。 感染者は4万3000人以上に拡大し、その中でも最も多いのが、ここニューヨーク。 さすが世界の首都。 先進国で最も人口密集率の高い街。 全体の約半数、2万人以上の感染者が出ました。

完全に、パニック映画の世界です。

有史以来、様々な人類が危機に直面する映画が作られ、見られてきたのは、この日の為の気持ちの覚悟、または予行練習の為だったのではないか、と思っちゃうほどです。

自宅禁止令が発令する約60時間前に、仕事として、タイムズスクエアに写真を撮りに行きました。 編集部から数ブロックの距離なのですが、まるでゴーストタウンでした。 途中、編集部裏の5番街は車1台通っておらず、写真だけ見ても、ここが5番街と言っても信じてもらえないであろう光景。 世界の交差点と呼ばれるタイムズスクエアに到着すると、渡米して20年、見たことがない光景が広がっていました。

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目の前に広がる景色は、完全に映画です。 「バニラスカイ」のオープニングや、「アイ・アム・レジェンド」に出てきた光景を現実の世界で見ることになるとは。 不謹慎覚悟で言うなら、「ウォーキング・デッド」のゾンビが今にも出てきそう。 一日十数万人の観光客が行き来する交差点が、今や無人、無音。 その中で無数のオーロラビジョンの電子広告だけが、いつものように流れている空間は、少し異様でした。

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これまでの経緯の時系列はざっと以下の通りです。

3月5日、ニューヨーク市長は会見において、最近中国、韓国、イタリア、イラン及び日本を訪問したNY市民は、帰国後14日間、自宅待機すること及び自宅待機中に症状が出た場合は医療機関に必ず連絡することを求める旨発言しました。

ちょうど、この3月5日、僕個人は1ヶ月に及ぶ東京出張のフライトが予定されている日でした。 このあたりはアジア圏の方が被害は大きく、「今、あえてこの時期に東京に行くのは不用心ではないか」「わざわざ、今、渦中に飛び込むそれなりの事情を説明する必要がある」というのが、株主、社員、そしてクライアント、取引先の見解でした。 なので延期にしました。 なにより、東京で会う予定になっていたお客さんから次々と、「予定されていたミーティングなんだけど、スカイプでいいかな」と連絡が入り、スカイプだったら、ニューヨークにいたままでも一緒じゃないか、と出張自体を取りやめにしました。 その時は、まだ対岸の火事だったような気もします。

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9日、ニュージャージー州バーゲン郡では、感染拡大と初の死亡者が出たことを受け、非常事態宣言を発出しました。

12日、NY州は、500名以上が参加するイベントや集会の禁止。 収容能力が500名以下の施設は収容率を50%に削減するように、と非常事態宣言を発出します。 それに伴い、ブロードウェイのすべての劇場、メトロポリタンオペラ劇場、カーネギーホールでのすべての公演の中止を発表しました。 ミュージカルのない街になってしまいました。

このニュースは結構、衝撃でした。 アメリカ人の心がメジャーリーグであるなら、ニューヨーカーのハートはブロードウェイ。 それを、しかも全館クローズするのは、本気だな、と感じました。 本気で、州はできうる限り早期解決に向けて動いているな、と。

16日、とうとう公立の幼稚園、小学校、中学校、高校と学校が封鎖になりました。 うちの4歳児の双子も、幼稚園に行けなくなりました。

19日、州内の全事業者に対して、在宅勤務を促し、出勤者を25%未満に制限することを義務付けると発表しました。 食料や保健関連など不可欠な事業・サービスは除く、ということから、まだ街には人を見かけることができました。 あくまで推奨。 25%と言っても、そこは自己責任なので、厳密に守っている企業がどれほどいたのかはわかりません。

そして、20日。 知事は、NY州の感染者数が7000人を超えさらに拡大していることを受け、主に(1)原則として全労働者は在宅する、(2)州民は可能な限り自宅に待機する、という行政命令を発表しました。 この行政命令が、3月22日(日)午後8時から発効されたということになります。

その時点で、僕たちマスメディアは事実を伝える、という職務から、発効の除外対象になっていました。 なので、この時点で、タイムズスクエアに足を運んだわけです。 ニュースを伝える仕事のため。 完全防備で行きました。 なので、興味本位で野次馬的に行ったわけではありません。 ある芸人さんがインスタにアップするためだけに、オシャレな感じで、マスクもせずに現地に向かったのとは根本的に違います。

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でも、そこからわずか48時間後には、感染者は倍に拡大していました。 仕事とはいえ、街を出歩いたことに少し、ゾッとしました。

22日にクオモ知事が発表したメッセージは、「ヘタしたら、80%の方々が感染する可能性もある。 特に高齢者や現在病気の方々が罹患した場合、死に至る場合もある」というものだったからです。

そして、その翌日、日本でオリンピックが正式に延期になるというニュースが飛び込んできました。

、、、そんな歴史的、世界的、国民イベントの延期発表のあとに報告するのもアレですが。 。 w

5月に予定していた、僕の福岡ー広島ー岡山ー京都ー名古屋ー日比谷、の講演会、トークショー、書店サイン会の全国ツアーも、当然のごとく無期延期となりました。 (五輪延期決定の後に書くと、これ以上ないほどしょうもないお知らせだなっww)

ただ、すでにFacebook上でチケットを購入して下さった方も多く、お知らせする必要があると判断しました。 それに伴い4月に高田馬場で開催される予定だった某医療系パーティーで1000人の前でスピーチさせて頂くお仕事も飛んじゃった(^_^;) 先々週は、日本から来ていた神戸女子大学生たちの前で、ここニューヨークで講演させて頂くことにもなっていたのですが、土壇場で彼女たちが強制帰国(~_~;) それら、すべての予定が白紙になりました。

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では、一切、街には人の姿を見かけることはないのか。

ここ数日、僕のツイッター、フェイスブック、ブログでは、日本の多くの方から心配のメッセージを頂きました。

中には「食糧を送りましょうか」とか、「子供たちも一歩も外に出れないならストレスも溜まるでしょう」とか。

非常にありがたいのですが、今、現在、グロッセリーに食料品は溢れています。 十分な注意のもと買い出しにも出かけられます。 幼稚園の先生から送られてきたEメールは「毎日、少しは外に出て遊びましょう」という内容でした。 ZOOMでの授業は驚くほど充実しています。

おそらく「LOCK DOWN」の概念を日本の方は誤解されている。

報道で受ける印象と、実際は違います。

20年前の同時多発テロのその日、僕は映画館に行きました。 館内は満員でした。

日本の方の中にはテレビでニュースを見て、街には人間の姿は一人もなく、ガスマスクをつけている当局のスタッフが消毒液を撒き散らし、一般人が道を歩こうものなら、これまた当局の人間が、捕獲し収監するくらいの勢いなのではないか、と。 (さすがにそこまでの誤解をしている人はいないか)

確かに、人の姿はまばらです。 マッサージ店や美容院など、お客さんと直接接触するサービス業はどこも営業していません。 レストランもクローズしているところが多い。 ですが、レストランも店内での食事は禁止でも、テイクアウト専門で営業をしているところは結構、あります。 スーパーマーケット、グロッセリー、デリなどの食料品店は、変わらず、営業しています。 食糧の買い込みでの最低限の外出は許可されています。 うちの奥さんもマスクの上からスカーフを巻いて、毎日、買い出しに出かけています。 スターバックスは全店舗閉店ですが、マクドナルドは全店舗、時間制限はあるものの、開店しています。 そのあたりのルールはわかりません。 おそらく企業それぞれの考えとポリシーと主張なのだと思います。 どちらも正しいと、個人的には思います。

スーパーや食料品店は、確かに缶詰とシリアル(コーンフレーク)は品薄ですが、従来の食品はすべて従来通り陳列されています。 ないのは消毒液(サニタライザー)くらいなものです。

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では、そのまばらな人たちはみんな完全防備かというと、そうでもないです。 マスクをしている人の数は半分くらい。 インフルエンザが流行っている時期の東京の方がマスクしている人の割合は多い気がします。

それでも半数はしているので、まったくマスクをする習慣のない人たちのコミュニティーの中では、異様な光景でもあります。

当然のごとく、デリバリーサービスは、かつてないほど儲かっているようで、街はウーバイーツなどのドライバーだらけです。 こんな時期なので、特にありがたがられ、チップに50ドルとか渡される、みたいな話を聞きました。 ニューヨーカーのいいところでもあるのですが、こんな時にはありえない額のチップをはずむそうです。 「助かってるよ!」と。 面白いのは、州も市も公式サイトで、「こんな時だからこそ、みんなデリバリーを頼もう!」と呼びかけていることです。

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公式サイトといえば、市長は自身のTwitterで、10日「いいか、この街ではヘイトクライムも差別も違法だぞ。 アジア系のみんな、市は味方だからな」とツイートしました。 市長がわざわざそんなツイートをするということは、それだけこの街のアジア系がヘイトクライムを受ける可能性があったということの裏返しだと思われます。

NY市のデブラシオ市長と、NY州のクオモ州知事は、政策においていつも対立することで有名です。

どちらかと言うと、デブラシオは革新派。 とにかく経済や子供たちの教育を止めるのは最後、という考え方です。 なので、最後まで学校閉鎖に踏み切りませんでした。 やたら、トランプ大統領と気が合うコンサバなクオモは、とにかくすぐに学級閉鎖をしたかった。 結果、二人のそれぞれの妥協点が16日、公立の学校機関すべての閉鎖だったのだと思われます。 タイミング的にはベストだったのかもしれません。

そうは言っても、共働きで4歳児の双子を抱える、我が家としては、幼稚園がクローズするなんて、当初は、とんでもないこと!という感想でした。 言ってみれば、送り迎えさえすれば、朝10時から昼2時まで見ていてくれる、無料の育児所のようなもの。 その時間が丸々、なくなります。 しかも、この時期、電車通勤のベビーシッターさんをわざわざ自宅まで来させるわけにはいきません。 外に遊びに行けない、エネルギー満タンの4歳児の双子と、屋内だけで一日、過ごすのはハッキリ言って、コロナよりも驚異です。

国外への出張も多く、ニューヨークにいる際も、早朝から深夜まで働くことが当たり前の零細新聞社の経営者の僕は、今回、皮肉なことに、朝から晩まで家族と過ごす日々になりました。 コロナ拡大防止の自宅謹慎の副産物として、家族との時間が増えました。 エンドレスに遊んでくれと騒ぐ二人を相手しつつ、2時間でもギブアップ寸前なのに、母はすごいな、と妻に感謝する気持ちまで芽生えました。 これもコロナが産んだ副産物と言えなくもない。

実際、ニューヨークはキャリアを積む街です。 世界一晩婚の街。 子供を産んだ後もすぐに職場復帰する女性が多く、今回の謹慎で、初めて子供達と向き合った、というキャリアウーマンも後を断ちません。 ネット上で「大切なモノにやっと気づいた」と書き込む働く女性が増えたとか。 それだけ非日常の日々、が始まっているということでもあるのですが。

食べ物と言えば「NO KID HUNGRY NEW YORK/お腹を空かせた子供たちをゼロにする)」と銘打って、市が無料で朝食とランチを配っています。 やはり、なにをおいても、子供達を優先する街です。 実際に、一度、フードをもらいに行きました。IDを見せる必要もなく、「子供二人!」という自己申告だけで、二人分の食糧を渡してくれました。 アメリカの素晴らしいところだと思います。 そのカウンターにいたスタッフがマスクをしてないことに少し引っ掛かったけど。 アメリカのバカっぽいところだと思います。 で、ブラウンバッグ(茶色の紙袋)なので、リンゴやらサンドイッチが入っているので、すぐに底が抜けます。 出口で全部、ぶちまけてしまった僕に、黒人の縦より横に長い女性スタッフが、「あなたのせいじゃないから、戻って新しい紙袋もらっておいで!」としつこく言ってきます。 アメリカの素晴らしいところだと思います。 戻ると、新しい紙袋をくれました。 でも、まったく同じ紙袋でした。 アメリカのバカっぽいところだと思います。

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自宅に持って帰ります。 妻は買い出しに行くことも限定的な今、すごく助かると言いました。 アメリカの素晴らしいところだと思います。 紙袋を開けてみると、ピーナッツバターたっぷりのサンドイッチと、ブルーベリージャム、べったりのサンドイッチと、砂糖まみれのクッキーと。 。 。 素晴らしくないところです。 でも、子供達を何より優先するところは素敵だなって思います。 この街で子供達を育てることができるのは、幸せだなと思いました。 砂糖まみれのクッキーは僕が食べたけど。

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子供達と言えば、今、幼稚園に通園は出来ないのですが、毎朝、ZOOMでクラスメイトとホームルームをやっています。 それぞれの親御さんが膝に園児を乗っけて、HELLO! と参加しています。 お遊戯も充実しています。

食べ物と言えば、飲食店にとってはロックダウンそのものが生存危機に直結します。 だって、お客さんがゼロになるのだから。 その中でも、ある意味、僕たち消費者にはラッキー、、と言えば、不謹慎ですが、有名ステーキ店が、あり得ないディスカウントで、デリバリーサービスを始めました。 このままでは仕入れの肉が傷んでしまう。 だったら、タダ同然の額でも売り捌こうというわけです。 ニューヨークの有名老舗ステーキハウス「ベンジャミン」のフィレステーキが90%オフの価格で食べられました。 たまたま、うちの愛犬、名前がみりんという雑種が9歳の誕生日を迎えたので、高級フィレステーキを800グラム誕生日ディナーにしました。 多分、本体(みりん)より日頃は高い価格。 それが1割の値段で手に入りました。

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不謹慎と言われるかもしれませんが、そのくらいを楽しみにしていないとやっていられない現状です。

世界がこのような状態になると誰が予想したでしょうか。 テレビに出演する占い師が、本物だと言うのなら、絶対、予想出来ていなければおかしいほどの歴史的事件です。

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予想と言えば、昨年11月。 東京に行った際に、いつもご挨拶に行く、ベストセラー作家の本田健先生のご自宅にて。 健さんと何気なく、世間話をしていた時のことでした。 「そういえば、来年、とうとう東京オリンピックですね」という話題になった際、何気なく、健さんは「でも、なにがあるかわからないよね。 ちょっとしたら、戦争にならないとは言い切れないし、世界的なウイルスのパンデミックになる可能性だってゼロじゃない」とおっしゃってました。 もちろん、ただの偶然です。 でも「世界的な変革の時期ってなにがあるか、わからないから」とも言っていました。 偶然だとしても、いつも世界に目を向けて、アンテナを張り巡らしている彼にしてみれば無意識的にも、どこかで予見していたのかもしれません。 すごいなと思わされました。

そして、今、これを書いている真っ最中に、知り合いに頼まれて、急きょZOOMにて数十名の方々が参加する中、ニューヨークの今の現状、LOCK DOWNについてお話しさせて頂きました。

急きょだったので、それが何の会合かわからないまま、お話させて頂きました。SNSのグループみたいです。

他にもカリフォルニア郊外に住まれている方、ロザンゼルス、シアトル、そしてドイツに住まれている、すでに今現在、世界でLOCK DOWNをしてる都市の方々が参加されました。

主旨は、彼らによる、これから封鎖される可能性のある日本の他の参加者に対しての現状報告、そして心がまえ。 西海岸やヨーロッパの現状も知ることができ、非常に有意義なZOOMセミナーでした。 だからこそ、この有意義な情報を身内だけでなく、知り合いに伝え、拡散して欲しいと思いました。

各国のダウン経験者から、少しずつ買い出しに出かけ貯蔵しておこう、とか、急にダウンした際パニックにならないよう、とか、撹乱する情報を見極めよう、とか、LOCK DOWNそのものに役立つ情報が数多く出てきました。

僕的には、少し、違う角度からお話させて頂きました。

それはー、死ぬな、ということ。

大袈裟に言ってるわけでも、イタズラに煽っているわけでもありません。 感染そのものについての発言でもない。 今回のパンデミックが収まったとして、確実に訪れるであろう「経済破綻」について、です。 結構、真剣に思っています。

今回、個人的に感染以上に怖いのは、エコノミック的に大打撃を受ける個人が日本で続出するのではないか、ということ。 いや、すでに出ていると思います。 僕が零細新聞社の経営者だから特にそう感じるのかもしれませんが、経営者に限りません。 個人事業主、大企業、オーナー、雇われ、サラリーマン。 どの職業であれ、破綻する可能性が出てくるー。

そして、こんな有事によく言われるのが「状況に合わせて、切り替えが必要!」というロジック。 テロであれ、バブルが弾けた後であれ、「その状況に合わせて、今の状況に固執せず、ビジネスモデルをうまく変えて、何とか切り抜けよう」という理論。 業種によっては利益が出ている、という理屈。 もちろん100%賛成です。 それに越したことはない。 でも、全員が全員、そううまく作用するわけがない。 なにより、僕の周囲の経営者で、当たり前ですが、当然、活路を見出すため、方向転換を考え、そっちにハンドルを切っています。 今のままでいいと思う経営者なんて皆無、です。

でも、それでも、うまく行かない場合もある。 1番いいのは、経済破綻が起きないこと。 2番目は、それを利用しモデルチェンジし、うまく切り抜けること。 でも、それすらできなかった場合も出てきます。 少なからず。

その場合、絶対に、ヤケを起こさないでください。 炎上覚悟で言うなら、破産しても「たかが金だ」くらいに思った方がいい。 その場合に限ってだけど。 ニューヨークで、外国人経営者として、紙媒体を運営しているー。 ( ←自分で書いてて嫌になるくらい、ハンデだらけだな・笑)その僕から言わせれば、仮りに一回破綻しても、絶対に活路は見出せると信じています。 絶対に復活できる、と。

同時多発テロの直後に業界に入り込み、イラク戦争真っ最中にメディアカンパニーを立ち上げた。 ブラックアウトで創刊の邪魔をされ、紙の時代はもう終わると言われる中、無料の日刊紙を発刊し続けた。 リーマンショックの影響で、当時雇われ社長だった元の会社と決裂したときは、NYの日系社会で「高橋はもう終わった」とささやかれました。 「ニューヨークBIZ」を創刊した翌年にはサンディにより、オフィス業務はすべてストップ。 歴史上、外国人が最も嫌いな大統領が誕生した際は、せっかく育てた優秀な社員がのきなみビザを拒絶され、強制帰国になりました。 もちろん、それらのたび、売り上げは底辺まで毎回落ち込みました。 毎回、毎回。

プライベートでは、ドSなのに、ひょっとしてビジネスにおいては、オレ、Mなのかな、と最近は自分に感心すらしています。 そんな経緯だったので、調子がいい時があったとしても、いつまでも続くわけがないと、どこかでいつも思ってる。 いつだって、ゼロになる覚悟が出来ている。 毎回、毎回、ゼロにされることに、免疫がつきました。 いつか、息子が大きくなった際、武勇伝として聞かせて、ウザがられるのを楽しみにしている。 ゼロになったとして。 またゼロから始められる。 そう思えるくらいにしておきたい。 絶対に、活路は見出せるからー。 だから、ー、死ぬな。

そして、ニューヨークは、僕が渡米してからの20年間に限ったとしても、いろいろとありました。 なので、今回も乗り越えると思います、結局。 そして、僕たちも。

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コロナが蔓延しても、ニューヨークは今年も桜が咲いてます。

image by: James Kirkikis / Shutterstock.com

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高橋克明この著者の記事一覧

全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

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