マーケティングのプロが教える。危機の時に売り上げを伸ばす方法

shutterstock_410941717
 

緊急事態宣言により外出自粛が求められるなか、消費の動向に変化が生じています。ネット通販の売り上げ増はもちろんですが、リアル店舗でも意外に売れているものもあるようです。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』発行人の理央周さんがその事例を紹介。現在のような危機に際し、事業者、売り場担当、マーケティング担当がどう対応すれば売り上げ増に繋げられるのか、その方法を伝えます。

危機の時に売り伸ばすには~リスク大の時に何を見て何をすべきか?

コロナの危機の中、消費者の行動はどうなっているのか?

コロナウイルスの感染拡大防止の動きがある中、企業もいろいろな対策を打っています。非常事態宣言などにより、三密を避ける、という心理が働くので、繁華街に行っての買い物や、外食などにいかないようにしているため、家庭内での行動が増えています。

それにともなって、「買い物も外に出ずに」という気持ちになるのが、ここのところ言われている、“巣ごもり消費”ですよね。巣ごもり消費の際に、まず思い浮かぶのが、「通販」ですよね。家で見て、探せる媒体でものを買い、自宅に届けてもらうことになります。

とくに通販では、本や文房具、またZOZOなどで服や靴を買う、ということが浸透してきましたが、ここのところ外出を控える心理が働くため、「生鮮食品などの食材も通販で買おう」という動きも出ています。

日本経済新聞の記事によると、西友楽天スーパーでの販売量が増えているので、配送の人員体制を組むのが難しくなり、「当日配達ができない」といった、需要過多も生まれるくらい伸びていますよね。

意外でしたが、日本のEC利用率はまだ全体の約7%。中国の22%、韓国の16%、英国の19%に比べるとまだ低いのですが、これを機に伸びていくことが予想されます。これまでは、インターネットの普及に伴って、ネット通販の“売上の量”が伸びてきました。

ここ最近は、何がどう変わり、これからどうなるのか?

しかし、コロナウイルスによる巣ごもり消費によっての、今回の通販の伸びの“中身”は、若干異なります。まずは、「買っている層」です。

一般の消費者に加えて、リモートワークで在宅勤務をする人たちも、家にいる分だけ、いつもより多く買い物をしています。この層により、対法人向けの企業も売り上げを伸ばしています。たとえば、文具やオフィス家具の通販の会社、アスクルも対前月比で。24%売り上げを伸ばしているとのこと。

次に、「買っている商品・サービス」です。これはリアル売り場の話ですが、小田急百貨店では、高級ワインの売り上げが伸びているそうです。休校措置などで、子供達が家にいるので、リアルでもネットでも、書店での本や参考書の売り上げが伸びでいるとのこと。また、食品では学校に行かず給食ではなく家で食べるので、パンの売り上げが伸びている、ということ。

print
いま読まれてます

  • マーケティングのプロが教える。危機の時に売り上げを伸ばす方法
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け