ホルモンは大きく3分類。その材料は?
ペプチドホルモンはアミノ酸が繋がった状態で構成されているホルモンです。ホルモンの種類によって繋がっている数はまちまちで、例えば「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」というホルモンはアミノ酸が3個繋がった状態ですが、成長ホルモンは191個も繋がっています。
ご質問のインスリンもロイシン、グリシン、アラニンといったアミノ酸が中心になって繋がった状態にあり、このペプチドホルモンに分類され、膵臓から分泌されています。
ステロイドホルモンは大元の材料は脂質という事になり、ストロイド骨格と呼ばれる共通の骨格をもったホルモンです。男性ホルモンや女性ホルモンといった性ホルモンが代表的ですが、他にも副腎皮質ホルモンもステロイドホルモンです。
いずれも脂質から最初に作られる物質はプレグネノロンというホルモン(の前駆体)ですが、そこから少しずつ構造を変えて男性ホルモンにも女性ホルモンにもなります。そのため多くのステロイドホルモンは化学構造が似ているのですが、及ぼす作用はまったく異なります。それはそれぞれのホルモンに結合する受容体が、そのわずかな違いを見分けているからです。
アミノ酸誘導体ホルモンとは元はアミノ酸から作られているホルモンで、代表的なものとしては甲状腺ホルモンやアドレナリンです。これはチロシンというアミノ酸が原料となっていますが、そのチロシンはフェニルアラニンからも作られます。またチロシンは同様にドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の材料ともなっていて、これらもアミノ酸誘導体に含まれることからホルモンとして考えらえる事もあります。
他にもアミノ酸ではなく脂肪誘導体によるものがあり、これをプロスタグランジンと呼んでいるのですが、同様にホルモンとして扱う事もあります。プロスタグランジンはアラキドン酸というω-6系の脂肪酸からつくられています。
このようにホルモンは体内で合成されているものですが、治療などの目的以外に外から取り入れるとドーピングの対象になります。微量で大きな作用を発揮するのがホルモンですから、医師の判断無しに取り扱う事もNGです。私たちが自分の判断だけで自由に体内に取り入れていいのは、焼き肉のホルモンだけです!(^^)!
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