NHK人気番組も取り上げた、詐欺にかからない「電話対応」の仕方

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以前掲載の「現役探偵が暴露。コロナ禍で横行するネット詐欺の悪質すぎる手口」でもお伝えしたとおり、新型コロナウイルスに乗じて金品をだまし取ろうという詐欺行為が横行しています。お年寄りに関しては、ネットではなく自宅への電話がそのきっかけとなってしまうと言われますが、防ぐ手立てはないのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者の廣田信子さんが、NHKの人気情報番組で取り上げられた「オレオレ詐欺の電話に引っかからない方法」とそのメカニズムを紹介しています。

電話をスピーカー機能で聞くと詐欺に騙されない?

こんにちは!廣田信子です。

外出、集会等の自粛要請、緊急事態宣言と続き、人と会って話ができなくなってから、3カ月以上になります。

オンライン会議もやっていますが、電話で話をする機会も増えました。実は、電話で話をするのは余り得意ではなく、事務的に済ませられることはメールで、微妙な調整が必要なことは直接会って話す、という形をとっていました。プライベートのことも、LINE(ライン)のやり取りが多く、相手の都合も考え、電話をすることは少なくなっていました。

でも、コロナ自粛で、人とは会えないけど、文字ではなく直接話したいこともあるし、お互い、コロナ自粛で時間があるのでは…ということもあり、電話で話をする機会が増えています。その時に、できるだけ、「スピーカー」の機能を使い、耳につけて話をしないようにしています。そうすることで、ずいぶん電話に対する苦手意識がなくなりました。

そうしようと思ったきっけは、NHKの「ためしてガッテン」という番組です。

今こそ備えて!オレオレ詐欺を元から断つ秘策

その番組では、自分は騙されないと思っている人が、なぜ、オレオレ詐欺の電話に引っかかってしまうのか…を分析し、実験によって、その理由を明らかにしていました。それは、耳と脳の錯覚によることが大きいというのです。電話の音声を受話器から耳元で聞くか、スピーカーから流れる音声として両耳で聞くかで、受け手の感情が違うというのです。耳元で相手の声が聞こえると、その距離感を許すくらい親しい関係の人がしゃべっているかのように脳が感じてしまい、ドキドキし、内容を冷静に聞けなくなるというのです。

番組内では、電話の音声を、受話器を使って耳元で聞いたときと、スピーカーを使って離れて聞いたときの発汗量の違いを計測していました。すると、耳元で音声を聞いたときは、スピーカーで聞いたときの2倍近く汗をかくという結果が。

それから、もうひとつ実験が…。指先を使った繊細な単純作業を、時間内にどれだけできるか…という実験を「あと何分!」「急いで!」というような急かす声を、「耳元のイヤホンから流す場合」と、「スピーカーで室内に流す場合」とで比べていました(もちろん、そんな実験であることを被験者は知りません)。

その結果は…面白いほど違いが出ました。耳元で急かされた人は、動揺してしまい、焦って手元が怪しくなり、作業に失敗。結果は、ひどい状態でした。それに、比べ、スピーカーから流れた声には、被験者はそんなに影響されることがなく、冷静に作業を進めることができていました。

番組では、電話による詐欺被害を防ぐために、「留守番電話」に常にすることの効果として、証拠が残る詐欺話を留守電には入れないので、相手があきらめるということが大きいのですが…もうひとつ、相手の話を受話器で耳元で聞くのではなく、スピーカーから流れる形で聞くことで、冷静にその話を聞くことができるということがある…と。

なるほど…と腑に落ちました。何となく、私が、電話が苦手な理由の一つが分かった気がしました。できるだけスピーカーで聞くことにしてから、あまり集中し過ぎないで話ができるので、話が長くなっても疲れません。相手の顔や自分の顔が常に見えているオンラインのコミュニケーションも何だか疲れますので、相手の声を映像なしのスピーカーで聞きながら、こちらはリラックスした姿勢で、あまり集中し過ぎないで会話をすると、けっこう気分転換になるし、いろいろアイディアも湧きます。相手の言葉に集中し過ぎないというのも、自分の脳をリラックスさせて働かせるには、大事なことなんだな…と実感しています。

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