【書評】大学教授がマジで研究した「マジヤバイっす」と日本語の豊かさ

 

ネットでは「正しい日本語を話さないとみっともない」「ヤンキー言葉」といった批判が多数派だ。読売新聞社の女性向けQ&Aサイト「発言小町」ではレスの90%が「スは丁寧語ではない」であった。教員である著者は「ス体」で話してくる学生に対して、「丁寧でない」と感じたことはなく、むしろ良い印象を持っていたから、半分くらいは丁寧語だというレスを予想していたという。

しかし、批判する方がネットでは多数派だった。ああよかったと思う。著者はその結果に驚きつつ「敬語は日本人が一番頑固なところ。ス体はそこに挑戦しているから反響もすごい」と我田引水。この言語学博士は、正しい日本語の敬語よりも、自分が広めているス体とやらが優れていると考えているらしいが、妄想であろう。だが最近はテレビCMで、時には女性もス体を使っている。

第三者の如く「おもしろさや軽さ、男性との関係に規定されない新しい人物像を表現していて、ス体の可能性を感じます」って、やはり自画自賛としか思えない。「マジヤバイっす」なんて、最低のバカ言葉だと思っているが、この本では市民権を獲得済みであるように書く。リアルにそんな現場みたことないけど。勝手に「新敬語」なんていわないで欲しい。娘に聞いたら、「息子(中3)は知らない人とゲームする時も、了解っすー!とか言ってるね。旦那も職場の人と電話してる時に、あーー、なるほどね。そっすね!みたいな感じ。娘やわたしは使わないから、男の世界なのでは?」とのこと。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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