なぜ現実から目を背ける?「真のリアリズム」を知らぬ平和ボケ日本

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以前掲載の「アメリカも未だ警戒。なぜ、世界は『日本』を恐れているのか?」といった、国際政治を取り扱う記事にたびたび登場する、シカゴ大学政治学部教授のジョン・ミアシャイマー氏。代表的なリアリストとして知られるミアシャイマー氏ですが、そもそも「リアリスト」とはどのような思想を持つ人々なのでしょうか。今回の無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』では、戦略学者の奥山真司氏がかつてリアリズムについて書いたテキストを改めて掲載し、リアリストの考え方を明らかにしています。

「リアリスト」とは

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番組中ではこれまで何度もそもそも「リアリズム」とは何のなのか?という解説・説明はしてきましたが、このところまた、「リアリズム」が話題に上がることが多くなってきましたので、改めて、以前、奥山博士にお願いして書いて頂いたテキストが簡潔でツボを押さえているので、再度ご紹介します。

「リアリスト」とはそもそもどういう考え方をする人達なのか?

日本で「リアリスト」というと、あえて大雑把にいえば、いわゆる「現実派」というイメージになります。汚い仕事からも目をそらさず実行するという「実務派」という意味でとらえられがちです。

これはアメリカでも同じであり、政治信条などを度外視して、生臭い権力闘争や、利権の力学で政治をおこなう実務派たちを「リアリスト」と呼ぶことがあります。例えば、チェイニー元副大統領などがその代表的な人物であり、血の通わない冷酷な人物である、とみられがちです。

しかし、ここで解説したい「リアリスト」というのは、そういった政府の「実務派」といった意味合いではなく、「国際関係論」(International Relations)という学問の中の「リアリズム」という理論を信じる学者たちのことになります。

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