失敗はガースー発言ぐらい。あの知事よりマシな菅首相のコロナ対策

arata20200924
 

GoToトラベルの突然の一時停止が発表されるなど、混乱を来しているようにも感じられる我が国の新型コロナ対策。事実、政府の対応を批判する声が各所から上がっていますが、菅政権の対応は誤っているのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、日本のコロナ対策については「2つの根本的な誤解がある」として、それぞれについて詳しく解説しています。

日本のコロナ政策、2つの誤った理解

アメリカの場合は、トランプ政権のコロナ政策は迷走していますし、また具体的な政策は各州に丸投げとなっています。その上で、国民の多くがその政策にも従っていないわけですから、何のお手本にもなりません。見るべき点は、せいぜいが、認可されたワクチンに対して社会が緊急接種へ向けて努力していることぐらいですが、そのアメリカでも「ワクサー」という「反ワクチン派」はいますし、接種率の確保はそうは簡単ではないと思われます。

それよりも何よりも、現時点で、アメリカという一つの国だけで、

  • 陽性者の累計:16,293,597
  • 累計の死者 :  299,455

という数字となっているのは、恥ずかしいとしか言いようがありません。それでも、感謝祭やクリスマスなどで大家族が一同に会するとか、若者がスポーツバーで騒いだり、スポーツジムに通うのは「やめられない」とか、知事のロックダウン命令に対しては「個人の自由」から反発して殺害予告をしたり、暴力的なデモをしたり、とにかく情けない限りです。

一方で、日本の場合はとにかく感染を抑え込んでいるのは間違いありません。ですから、今でも堂々と胸を張っていいと思います。ですが、政治や社会、経済まで見た全体像として、日本は「コロナ禍との対決」がしっかりできているのかというと、そこには2つの根本的な誤解がある、そう指摘せざるを得ないのです。

print
いま読まれてます

  • 失敗はガースー発言ぐらい。あの知事よりマシな菅首相のコロナ対策
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け