遅すぎたGoTo停止。無意味な「勝負の3週間」が招くニッポン崩壊

 

日本の北海道、東京、愛知、三重、大阪、兵庫、高知の7都道府県は重症者用か中等症者用病床の使用率50%以上のステージ4(爆発的感染拡大)になっているし、病床の使用率25%以上は22都道府県になっている。ステージ4は、兵庫県63.6%、大阪府が60.4%、高知県が57%、愛知県が54.9%、北海道が54.8%、三重県が51.6%で、重症者用病床の使用率で東京都66.4%である。

ステージ3は、岩手県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、京都府、奈良県、岡山県、広島県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県だ。

しかし、東京などでは行動規制もなく、この感染拡大を止めようという意思を政治家から感じられない。このため、どこまで医療崩壊したら、行動規制するのかが問題になっている。分科会の尾身会長も強く行動規制を菅首相に求めている。

医療崩壊につながるステージ4が行動規制をかける基準だと思ったが、それに反して、小池知事はアラートとはいうだけで、行動規制を取らないし、菅首相も、GoToトラベル中止だけであり、それでは、このステージ4の意味は何であったのかということになる。

全国知事会もGoToトラベルについて、再開や延長する場合の条件を明らかにするよう求めた。医療基準と行動制限の実行条件が曖昧になっているので、県としての計画が立てられない状態になっているからだ。

ということで、行動規制になる基準も示されないで、感染の一層の拡大(感染爆発)が起きると不安になる。

何度も言うように、小池知事も菅首相も、危機の時には早い対応が被害を少なくするという緊急時対応の基本を守っていない。

不要不急の外出自粛という強い行動規制をした大阪や北海道は、この1週間で新規感染者数が減少している。早く、東京や首都圏、ステージ4になった地域も、明確な行動規制が必要な段階にきている。

感染拡大でもロックダウンなどの行動規制しなかったスウェーデンのグスタフ国王が7,800人の死者を出した自国の政策は失敗であったと述べ、その直後、マスク着用を初推奨した。

早く行動規制して、早期に感染拡大を止めないと、緊急事態宣言で交通機関も止まり、日本経済全体も止まってしまうことになる。

事実、現時点でも航空各社の国内線年末年始の予約が、前年45%減で、JR各社の予約は61%減にもなっている。年始年末までにコロナ感染を鎮静化しなかった咎が、交通会社に押し寄せている。

このことで、基本給や賞与などの賃金総額が「減る見通し」と答えた人も29.9%で、「雇用不安」とした人が58%にもなっている。物価も0.9%の下落と、いかにコロナ感染拡大を早期で短期に止める必要があるかを考えさせるデータになっている。「勝負の3週間」は、正しかったが、それに政策が伴っていなかった。

だらだら、行動規制もせずに感染拡大を放置すると、いつまでたってもコロナ感染が拡大して、飲食店の時短要請も1月11日までの延長になったが、感染拡大では時短を長期に実施してもらうとともに、医療崩壊が起きて全面的な行動自粛の緊急事態宣言に追い込まれる。

コロナ対策分科会には経済学者も居て、コロナ感染拡大と経済のバランスをどう取るかを議論したはずである。その分科会の尾身会長も分科会の総意として、早期の行動規制を求めている。感染拡大を早期に防止しないと、大拡大した状態から縮小させるのは、行動自粛のより強固な策を長期間することになる。

このため、強固な策をとるためには、コロナ対策特別措置法で、罰則規定を設けて、その代わり十分な給付を行うことのできる法律が必要である。日本はコロナワクチン接種が遅れているので、正常化するのは2022年春以降になると見込まれるので、早く法律の整備が必要である。

print
いま読まれてます

  • 遅すぎたGoTo停止。無意味な「勝負の3週間」が招くニッポン崩壊
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け