日本でもようやく医療関係者を対象とした接種が始まった新型コロナワクチンですが、中国では早くも偽ワクチンが登場、海外への流出も確認されたようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国ではこれまでも多くの「偽薬」が流通し社会問題となってきたという事実を記すとともに、このような事態が頻発する裏事情を明かしています。
※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年2月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
【中国】偽ワクチンの横行と隠蔽に走る中国の深い闇
新華社通信は2月15日、最高人民検察院の発表として、中国で新型コロナウイルスのワクチンの偽物がつくられ、しかも海外にも流出した可能性があることを伝えました。
今月10日までに、中国各地で製造・販売された偽ワクチン21件を立件し、約70人が逮捕されたといいます。
上記の記事では、49歳の男が昨年11月に偽物のワクチン約2,000本を約1,700万円で購入、このうち600本を香港経由で海外に送ったということです。男が販売したワクチンは、別のグループが製造したもので、中身は生理食塩水やミネラルウォーターだったそうです。この偽造グループは計5.8万本を製造・販売して約2億9,000万円を荒稼ぎしていたといいます。
中国といえば偽物です。世界市場のニセモノのうち、中国製が80%を占めるとも言われています。ニセバイアグラ、ニセ痩せ薬などは日常茶飯事で、かつて日本でも中国製ダイエット用健康食品で717人が健康被害を受け、4人が死亡するという事件がありました。
● 中国製ダイエット用健康食品による健康被害は累計717人に、うち4人が死亡
中国でニセ薬が流行るのは、もちろん儲かるからですが、中国では自国の製薬会社を守るために、海外の安いジェネリック薬品の使用が制限されていて、薬価が高いこともその一因です。そこでニセ薬をつくって安い値段で売れば、みんな飛びつくわけです。
2018年、中国で「我不是薬神」という映画が公開され、大ヒットしました。これは、2014年に実際に起きた「陸勇事件」をもとにしてつくられました。その事件とは、次のような内容です。陸勇という男性が白血病にかかり、中国の医薬品を服用していたものの、あまりの薬価の高さに困って、インドからジェネリック薬を個人輸入していました。その輸入薬がよく効いて病気が改善したため、陸勇は他の白血病患者のためにジェネリック薬代理輸入を行ったところ、ニセ薬販売などの容疑で逮捕されてしまったのです。これに対して、多くの市民がデモを行い、陸勇は釈放されることになりました。