日経新聞によると、太田社長は、inブランドシリーズや甘酒、高カカオのチョコレートなどの商品では、体の健康に貢献していきますが、その一方で今回のポイントは心の健康です、と明言しています。
最近は研究が進んでいますが、心が豊かになると、やはり幸福感が増してきます。
お菓子をはじめ食品は「楽しい」「嬉しい」、といった感情があると美味しさが増します。
お客様がお菓子に感じる、情緒的な価値観を大事にする会社にしていきたい、と読み取れます。
記事によると、社内で発表した時には、戸惑った社員も多かったようですが、このような方向の取り組みは、社会のニーズにマッチしていると感じます。
お菓子を含めた食品は、どうしてもコモディティになりやすく、ひいては値引き、安売りをせざるを得ず、利益を確保することが難しくなりがちです。
その理由の多くは、顧客体験ではなく、モノを売ろうとするからです。
この森永の事例でもわかるように、顧客が欲しいのは、楽しさ、嬉しさ、健康といった、顧客が使った時の効用です。
その意味でも、注目すべき、経営戦略の転換ですよね。
しかし、このような劇的な変化を、自社に導入しようとするときに、反発する社員がいることも事実です。
経営理念を、経営戦略に落とし込む時には、短期的に考えてはうまくいかないことが大半です。
中長期的に、社員に理念を浸透させて、十分な理解ができるようにして初めて、市場に向けて、効果的なコミュニケーションが取れます。
この森永製菓の取り組みは、ESGの観点からも、素晴らしく、今後の発信に注目していきたいと思います。(※本記事は、メルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』2021年9月21日号の一部抜粋です。続きをお読みになりたい方は、ご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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image by: Evelyn-rose, CC0 1.0, via Wikimedia Commons