一大疑獄事件に発展か。自民党が繰り返す「ネット工作」の汚いやり口

 

以上は、ネトウヨ的言論活動を続ける正体不明のサイトが、政権中枢や政党、政治家の関与する業者によって運営されているのではないかという疑念をもとに書いたものである。

だが、自民党には公式のボランティア組織として、約1万9,000人の会員を有するネット言論集団が存在することも忘れてはならない。

「自民党ネットサポーターズクラブ」、通称「ネトサポ」である。「インターネット等を活用した各種広報活動・情報収集活動・会員相互の交流活動」というのが設立趣旨だが、早い話、野党を批判し、自民党に有利な書き込みをする人々の集団といえるだろう。

自民党は2013年のネット選挙解禁に合わせてネット監視チームを立ち上げた。大手IT企業からソーシャルメディア投稿監視サービスを導入、党職員やIT関連企業のスタッフが24時間体制でネットを監視し、反自民的な書き込みを発見したら、プロバイダーに削除を要求している。しかも、監視チームの情報はネトサポの全会員に流れる仕組みだ。

つまり約1万9,000人もの会員が、自民党の監視チームから、反政府、反自民的な言論の情報を受け取っているのだ。彼らがSNSなどで大量の攻撃をかけているのを想像すれば、ネトウヨ的言説があふれかえるのもうなずける。

個別には、いわばプロフェッショナルである「Dappi」や「テラスプレス」が、ネット工作の世界で目立ってはいる。しかし、それらは氷山の一角にすぎない。「ネトサポ」のようなシロウトの言論集団を組織の一部として組み込み、育成しているのが自民党の恐ろしさだ。あらゆる手段を使い、着々とネット支配の領土を広げている。

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image by: 自民党ネットサポーターズクラブ - Home | Facebook

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