会社員の仕事の多くは自分ひとりで完結することはなく、複数の部署との連携が不可欠というケースがほとんどです。物事が思い通りに進まない原因が他部署との連携不足にあるとストレスも大きくなるもの。どうしたら改善できるのでしょうか。メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社で14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんは、まずは「A4メモ書き」で相手の立場の理解を深める方法を提案。さらに改善を図る方法として、同じ部署の3人によるロールプレイングの仕方を指南します。
※「A4メモ書き」とは:赤羽さんが考案したA4用紙を横置きにして左上にタイトル、右上に日付、本文を4~6行、各20字前後を1分で書き上げることで“もやもや”が消えていくという方法を使用したストレス軽減策
「考える力」を鍛えたい人に贈る『ゼロ秒思考』著者・赤羽雄二さんがあなたの悩みに答えるメルマガ詳細・ご登録はコチラ
他部署との連携がうまくできず協力してもらえない
Question
製造業に入社10年です。開発部の企画管理の仕事をしていますが、購買部や品質管理部などとの連携がうまくできません。彼らは彼らなりに大変忙しく、現行製品のフォローで手一杯な状況ですので、新製品開発・投入に関しては優先順位が低いようです。
普段から気をつかってはいるのですが、割に邪険にされ、心が折れがちです。どうせ新製品が流れるようになったら、その製品に関してわあわあ言ってくるのは目に見えているのですが。
赤羽さんからの回答
ご質問どうもありがとうございます。よくありますよね。後で問題になるのに、今目の前の問題に追われて冷たい態度をとる人。そうはなりたくないものですが、余裕がないと皆、多かれ少なかれそういう態度になりがちです。人の弱さの表れとみれば、そこまで反感も感じないかも知れません。少なくとも、邪険にはしていても、心の底から悪意があるわけではありません。
相手の立場で20ページほどA4メモ書きをしてみると、こちらからは見えない相手の大変さが見えてくることがほとんどです。視点を高くする、広げる、という点でぜひやってみてください。
また、本気でこの問題に取り組みたいとお考えであれば、開発部の同僚2人に声をかけてロールプレイングをやってみてください。一人が企画管理課、一人が購買部、一人がオブザーバーで、3分間のロールプレイングをやり、2分間フィードバックします。役割交代して、さらに2ラウンドすると、3つの役割を15分で経験できます。それだけで驚くほどの発見があります。
購買部の人が非協力的なのではなく、こちらからの情報の出し方や依頼のしかたに大きな改善余地があることがわかったり、彼らなりにベストを尽くしてくれていることがわかったりします。そうすれば、こちらからのアプローチがかなり改善でき、購買部の協力が想像以上に得られるようになります。
同じように、企画管理課、品質管理部、オブザーバーの3人の役割で3回実施すれば、新たに多くの発見があります。どちらも購買部の立場で考え発言してみる、品質管理部の立場で考え発言してみることに大きな価値がありますが、それ以上にオブザーバーとして企画管理課と購買部や品質管理部のやりとりを客観的に見ることで多くの組織課題やコミュニケーション上の改善点が見えてきます。
多くの不具合や不都合が実はコミュニケーション不足や相手の立場への理解不足から来ていることがわかって目の前がずっと明るくなりますので、ぜひやってみてください。
「考える力」を鍛えたい人に贈る『ゼロ秒思考』著者・赤羽雄二さんがあなたの悩みに答えるメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by: Shutterstock.com